鹿児島県奄美大島の大和村にある名音小学校の児童らを対象とした「魚さばき教室」(同小PTA主催)が9月23日、同村の名音生活館であった。児童や保護者、教員ら20人余りが参加。教室の前には2隻の船で名音の沖合を遊覧し、地元の海に親しみながら集落への思いと誇りを育んだ。
同小PTAの納幸輝会長によると、昔はよく大人が船に子どもたちを乗せていたといい、そうした経験をしてほしいと名音の漁師遊漁船「仁太丸」(勝山仁太代表)の協力を得て、初めて実施した。この日は釣り体験も予定していたが、悪天候のため海では遊覧のみとなった。
子どもたちはライフジャケットを着用して乗船。時折波で船が大きく揺れる中でも、もう1隻の船が見えると声を出して手を振るなど楽しんだ様子。同小4年と3年の女児2人は「船に乗れて楽しかった。また乗りたい」「知らない場所を見ることができてうれしかった。魚釣りもしたい」とそれぞれ話し笑顔を見せた。
遊覧後は魚さばき体験。大人から手ほどきを受けながら、仁太丸が事前に捕ったエラブチ(ブダイ)のうろこを取ったり、包丁でムロアジの腹を開き内臓を取り出したりした。同小5年の女児は「初めて魚をさばいたけれど、教えてもらったのでやりやすかった」と話した。
同日は同館で子ども会主催のバーベキューもあり、さばいた魚は刺し身やから揚げにして味わうなど一緒に楽しんだ。