鹿児島県指定無形民俗文化財の上平川大蛇踊りが旧暦9月15日の17日、沖永良部島知名町上平川の殿智神社例祭で奉納された。3本の丸太につり下げられた9メートル超の大蛇が空中を乱舞し、多くの見物客を魅了した。
同神社は300年以上前にこの踊りを伝えたとされる幸村政孝(後に「幸山」と改姓)を祭り神とする。旧暦1、5、9月の各15日に例祭があり、9月は最も盛大に大蛇踊りを奉納している。
踊りは、宿を求めて来た女性が大蛇の正体を現したところ、僧が経を上げて退治するという劇仕立てとなっているのが特徴。この日も同踊り保存会のメンバー約50人が演技、演奏、踊りと役をこなした。最後の総踊りでは子どもから高齢者まで輪に入り、踊りを盛り上げた。
保存会の西村兼武会長(75)は「今月6日に新庁舎落成式での上演もあったため、今年は練習量を増やした。今後も後継者育成に力を入れていきたい」と話した。