JR九州が企画した「クルーズトレイン ななつ星in九州」のツアー客20人が14日、空路で鹿児島県の奄美大島を訪れた。同社はこれまでに屋久島や五島列島(長崎県)といった離島をコースに組み込んだツアーを実施しており、「ななつ星in九州」のツアー参加者が奄美大島を訪れるのは2018年以来2度目。一行は初日、龍郷町を訪れて地元住民と交流し、奄美の文化や自然に触れ親しんだ。
「ななつ星in九州」は13年に運行を開始した九州を周遊する国内初のクルーズトレイン。今回は4泊5日の旅程で奄美大島と県本土の霧島を巡り、その後は「ななつ星」で2日間、九州各地を巡るツアー。奄美大島では2泊3日で大和村も回り、自然散策やナイトツアー、泥染めや鶏飯作りなど地元住民との交流も体験する。
龍郷町を訪れたツアー客は秋名の荒波龍美館で地元の食事を楽しんだ後、竹田泰典町長も駆け付け歓迎のあいさつ。地元住民が島唄を披露し、ツアー客との出会いを喜び、幸せを願って3曲を歌った。町長がハト(指笛)の吹き方をレクチャーする場面もあり、最後はハトやチヂン(太鼓)の音が飛び交う中、全員参加でにぎやかに六調を楽しんだ。
初めて奄美を訪れたという沢村正之さん(67)=東京都=は「六調はノリだけで踊れて、一体感があり良かった。町長さんまで参加してもらい楽しかった。奄美は自然がとてもきれいで山が低くやさしい印象。まだ着いて間もないが、多くの人が移住したいというのも分かる」と話した。
九州各地の奥深さを感じてもらうのが目的という同ツアー。今回は事前調査を経て龍郷町と大和村をコースに組み込むことが決まった。同社の担当者は「伝統と歴史に、地元の方の奄美への愛着を感じている。ツアー客には島の素晴らしさを感じていただければ」と話した。
竹田町長は「荒波地区は地域の支え合いが強い所。スタッフの皆さんの頑張りで良く準備していただいた。今後もこのようなツアーをどんどん取り入れていきたい」と期待した。