旧暦の7月15日に当たる6日、鹿児島県の奄美各地では旧盆の「送り」があった。先祖と共に3日間を過ごした家族連れなどが墓地を訪れ、「また来てね」などと声を掛けながら線香を手向け、祖霊との別れを惜しんだ。
奄美大島の宇検村田検集落では同日午後、ちょうちんを手に集落の高台にある共同納骨堂精霊殿を訪れる人々の姿が見られた。田検は村内の他の集落に先駆けて、1972(昭和47)年に納骨堂を創設。50年以上の歴史がある。
家族5人で訪れた奄美市名瀬の山下緒理恵さん(38)は、父方が田検の血縁といい「旧盆は親族で過ごせた。(先祖には)家族をいつも見守ってくれてありがとうと伝えた。共同納骨堂は離れていても管理などの面で安心感がある」と話した。

共同納骨堂で共同線香を手向け、祖霊に手を合わせる家族連れ=6日、宇検村田検