食品ロス問題や地方創生に関心を持つ学生が地方で農業体験を行うインターンシップ「クラダシチャレンジ」で、法政大学の学生3人が3日から鹿児島県沖永良部島の和泊町に滞在している。ユリ球根掘り取り作業を体験したほか、農家ヒアリングや意見交換を通じて地域課題への理解を深めている。8日まで。
和泊町、日本エアコミューター(JAC)、食品などの通販サイトを運営するクラダシ(本社東京都)が、「SDGs(持続可能な開発目標)の推進にかかる食品ロス削減などに向け締結した連携協定」に基づく初の取り組み。同協定は農業インターンシップの実施や特産品販売などで連携し、農業の人手不足など地域課題解決を目指している。
学生らは4、5の両日、ユリ球根掘り取り作業に従事。6日は観光、7日は季節ごとの労働需要に応じてさまざまな分野の組合員事業者へ労働者を派遣しているえらぶ島づくり事業協同組合、マンゴー栽培や養蜂業を営む東マンゴー園のヒアリングなどを行った。
活動を振り返り、井ノ上敦也さん(22)=2年=は「農家が育てるだけでなく、売るところまで努力しているのを知った。これから自分がそれを食べるとき、その苦労を想像する力を得ることができた。貴重な体験となった」と話した。
加納羽花さん(20)=同=は「規模が小さい島だからこそ、私たちがニュースで見るような事象も目に見える形となって表れており、島の人の問題意識の高さを感じた」、西澤梨乃さん(20)=3年=は「農業を見に来たはずなのに、連鎖していろんなことが分かった。人口減少などの問題が縮図化されて分かりやすかった」と話した。

クラダシチャレンジで農家を訪問して話を聞く学生(左)=7日、和泊町