温泉活用、健康とにぎわい創出 龍郷町=多世代交流センター整備、2027年度理リニューアル目指す

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 鹿児島県奄美大島・龍郷町の多世代交流センター整備事業が今年度から開始される。同町瀬留にある温浴施設「どぅくさぁや館」の老朽化に伴う改修工事を柱に、周辺調査での温泉源を活用し、施設を整備。屋内遊技場も設け、町民の健康増進とにぎわいの創出を図る。国の交付金も活用し、7月に設計、8月に調査を始め、2027年10月にリニューアルオープンを目指す。

 どぅくさぁや館は町民の健康増進を目的に1994年に建設され、翌年に運用をスタート。近年は雨漏りやボイラー故障など、施設の老朽化が目立つことから、改修が計画された。

 施設整備の総事業費は8億4133万5千円。調査費用を除く8億3633万5千円の半分は、国が支援する「新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)」を充当する。

 施設の柱となる温泉源の調査は23年、地域振興策を探る一環で実施され、隣接する相撲場近辺での温泉開発の可能性が極めて高いことが示された。26年度に温泉源掘削工事、27年度にかけて本体改修工事を行う予定。温泉掘削には第2世代交付金も活用する。

 どぅくさぁや館の温浴施設利用者は24年度に初めて3万人を超えたが、22年度までは新型コロナの影響などで利用者が低迷。利用料収入の減少に加え、ボイラー故障や雨漏りといった施設修繕などのコスト増も影響し、過去5年間は1400万円から1700万円の赤字となっていた。

 新施設は1階に家族風呂を含む温泉施設、2階に子どものための屋内遊技場や多目的室などを備え、町民の健康増進と幅広い世代の交流の場として活用する。

 利用料については町内、町外在住者で利用料金を分け、全体的に値上げを検討。28年度の利用者数目標は町外利用も見据え、温泉施設だけで年間4万200人(家族風呂含む)、施設全体で5万2000人と設定している。

 町の担当者は「温泉を活用した施設整備で、幅広い世代の交流が図られれば。町内外からの利用を呼び掛け、地域振興にもつなげたい」としている。

今年度から2027年度にかけ、多世代交流センターとして改修されるどぅくさぁや館=5月30日、龍郷町

 

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