第54回「日本ジオパーク委員会新規認定申請公開プレゼンテーション」が24日、千葉県千葉市の幕張メッセであった。認定を目指す鹿児島県喜界町の隈崎悦男町長ら関係者がプレゼンに臨み、審査員から好評価を得た。公開プレゼンを踏まえ、審査機関である日本ジオパーク委員会は同日、喜界島での現地審査の実施を決めた。現地審査は6~9月に行われる予定で、早ければ2025年中に喜界島が日本ジオパークとして認定される見通し。隈崎町長は「第一関門突破といった心境。認定に向けて大きな前進」と話した。
ジオパークは「地球」や「大地」を意味する「ジオ」と「パーク(公園)」を合わせた造語。認定を受けることで交流人口の拡大による地域活性化や、サンゴ礁などの環境保全の推進、島民の古里への誇りの醸成といった効果が期待できる。25年1月現在、48地域が日本ジオパークに認定されている。
喜界町は18年からジオパーク認定に向けた活動を開始。23年6月にはジオパーク推進協議会を設立し、ロゴマーク作成や、見どころとなる「ジオサイト」の整備などを進めた。ジオを学ぶ講座やツアーなどを通じ、地元住民の意識形成や観光・教育分野との連携推進にも取り組んでいる。
プレゼンには同協議会会長の隈崎町長をはじめ、町企画観光課職員、NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所の関係者、地元のツアーガイド、喜界町埋蔵文化財センター職員ら7人で臨んだ。
プレゼンでは認定を目指す推進協議会の体制と環境保全や教育などに関する取り組みを紹介。サンゴ礁が急速に隆起してできた喜界島の地質・地形と、独自の歴史や人々の暮らし、文化などもアピールした。
隈崎町長は「日本ジオパーク認定は喜界島の自然と文化を次世代につなぎ、誇りある島づくりを前進させる大きな一歩。これからも地域全体で力を合わせ、持続可能な未来を目指して歩み続けていく」と発表を締めくくった。
プレゼン終了後、南海日日新聞の取材に隈崎町長は「隆起サンゴ礁でできた特異な喜界島の成り立ちと、その環境が育んだ独自の歴史や文化に対し、審査員の皆さんが大変関心を持ってくれたのを、はっきりと感じた」などと手応えを語った。

公開プレゼンテーションに臨んだ喜界島ジオパーク推進協議会の関係者=24日、千葉県