奄美大島でも備蓄米販売、5キロ3千円台も 価格低下・安定供給に期待

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 コメ価格高騰を受け政府が放出した備蓄米の販売が、鹿児島県奄美大島の小売店でも始まっている。5キロ当たりの全国平均価格が13週連続で値上がりして4200円を超える中、3000円台の価格が付く。一方、島内では4000円台、5000円台の商品が並び、購入制限を設けている店舗も多い。コメの全体的な価格低下や安定供給にはしばらく時間がかかりそうだ。

 奄美市笠利町のAコープ笠利店では、11日午後から備蓄米を店頭に並べた。入荷数は普通米120袋、BG無洗米90袋(いずれも5キロ)。備蓄米との表記はなく、産地はいずれも新潟県で24年産。普通米3650円、BG無洗米3758円(いずれも税込み)で販売している。

 入荷から約2日が経過した13日午前9時半時点で、普通米は約100袋が売れるなど売れ行きは好調だ。備蓄米を購入した龍郷町の70歳代女性は「米は毎日食べる。他の店舗よりずいぶん安いのでありがたい」と笑みを浮かべた。

 同店ではコメ売り場近くに「1家族様1袋まで」の制限を求める案内文を掲示している。尚健三郎店長(57)は「お客さまから米の入荷に関する問い合わせが多い。今後は毎週2回の入荷を予定しているが、時期や数量は不明。制限なしに販売したいが、安定的に入荷できるかどうか」と理解を求めた。

 同日、龍郷町と奄美市名瀬のスーパー7店舗のコメ売り場を確認したところ、産地や銘柄の違いもあってか、コメ5キロ価格は3974~7560円で推移していた。主に4000円台、5000円台の銘柄が並ぶ中、外国産や4キロ入りの商品で価格を抑えるなど工夫する店舗もあった。

 備蓄米が入荷していない奄美市内にあるスーパーの担当者は「消費者は物価高で少しでも安い商品を買いたいと思うはず。備蓄米が入荷する店舗へお客さんが流れないか心配」とこぼす。政府は9日、7月ごろまで備蓄米を放出する方針を発表しており「備蓄米が出回ることで、相場が落ち着いてくれれば」と期待を寄せた。

 同市名瀬のスーパーで4千円台のコメを購入した女性(38)=同市名瀬=は「名瀬のスーパーはコメが高いところが多い。昔のような価格は難しいと思うが、せめて3千円台前半の価格でいつでも購入できるようになってほしい」と話した。

11日から店頭に並ぶ備蓄米。陳列棚には「1家族様1袋まで」の購入制限を呼び掛ける案内文も掲示している=13日、奄美市笠利町

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