環境省奄美野生生物保護センターと鹿児島県奄美市は17日、同市名瀬の仲勝川で特定外来生物の水生植物「オオフサモ」の調査・駆除作業を展開した。ボランティア約80人が参加し、腰まで水に漬かって手作業で株を抜き取った。オオフサモは地下茎で広がるほか切れた根茎からも再生するとされ、参加者は計画的な防除の必要性を再確認した。
オオフサモは南アメリカ原産。熱帯魚水槽などの観賞目的で移入され、野外に広がったとみられる。繁殖力が強く、水面を覆いつくして生態系に影響を及ぼす。「パロットフェザー」「ヌマフサモ」「スマフサモ」とも呼ばれる。
環境省の「奄美大島における外来植物対策の優先度リスト」では、Aの「積極的に防除作業を行い島内の排除を目指す」種に指定されている。奄美市では大川や知名瀬川など数カ所で確認されており、仲勝川では昨年度末にも奄美大島自然保護協議会が駆除作業を実施している。
今回はイオンプラザ大島店、奄美建設業協会、世界自然遺産推進共同体、環境省、鹿児島県、奄美市、陸上自衛隊奄美駐屯地の7団体が参加。参加者は仲勝川と有屋川の合流地点から上流約300メートルまでの範囲を歩いて移動し、約3時間かけて繁茂した株を丁寧に手で抜き取った。
同川でのオオフサモ駆除は今後も継続予定。奄美市世界自然遺産課の担当者は、「外来種駆除は一度の作業では完了しない。関係機関やボランティアの方々と協力し、仲勝川での地点根絶を目指す」と話した。