鹿児島県大島郡瀬戸内町の加計呂麻島芝集落で4月30日、恒例のカツオ祭りがあった。新型コロナウイルスの影響を受けて3年ぶりに開催。漁船団が大島海峡内で勇壮な会場パレードを繰り広げた後、見物客にカツオなど約1・5㌧の魚や祝い餅を振る舞い、漁の安全や大漁を祈願した。
明治期からカツオ漁で栄えた同集落の代表的な催し。人口減少や高齢化に伴い、近年は脇田総合(脇田光昭社長)が主催している。例年、加計呂麻島内外から訪れる人々でにぎわっており、3年ぶりの開催となった今年も、海岸には大勢の地域住民や観光客が集まった。
午後1時50分過ぎ、大漁旗を掲げた大小8隻の漁船団が繰り出し、海上をパレード。陸上からは大きな拍手と歓声が上がり、カメラを構える人の姿も見られた。
カツオの模擬釣りが終わると、待望の餅投げがスタート。餅が入った小袋にはカツオ、キハダマグロなど魚の引き換え券が付いた当たりもあり、老若男女は船員へ「こっちにも投げて」などと声を掛けながら小袋に手を伸ばした。
後半はマグロ解体ショーがあり、見物客へ刺身が振る舞われたほか、島唄や踊りなどの余興で盛り上がった。
会場を訪れた奄美市名瀬の大山幸久さん(67)は「初めて来たが、人が多くて驚いた。カツオが2匹当たり、来てよかった。食べるのが楽しみ」と話した。