夕陽のあと

映画「夕陽のあと」への思い ー 長島町映画「夕陽のあと」

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さて、ここまでお付き合いいただきましたが、とうとう最後のテーマとなりました。
テーマは「夕陽のあと」への思い!はっきり言います!思いが強すぎてまとめられません!笑

ただ、2018年2月に長島町に着任し、最初に映画に期待の言葉をかけてくださったある町民の女性の言葉が、映画制作に臨むうえで本当に大切にしていこうと思える言葉でした。現に、映画が完成する最後まで大切にし続けていました。

「子どもたちが大きくなって、自分の子どもに語り継いでいく作品になってほしい」

このように映画への期待を示してくれました。町で育ったわけではない人間が、町を語り継ぐ作品を作る。なんという壮大な願いを託すのかとおもいました(笑)ただ、この言葉のおかげで、どんな映画を作っていくべきなのか腹落ちしたと思っています。

それからはまず長島町を理解しよう、そのために動き続けたつもりです。映画の台本をつくっていく過程で多くの方々にお話しを伺ったり、お酒をご一緒させていただいたり、町の仕事を拝見させていただいたり、短期間で本当に大勢の方にお会いさせていただきました。

そして半年経ったときに、どんな映画が長島町にとって必要なのか、ようやく自分の言葉で説明できるようになり、決意表明のnoteを公開しました。(詳しくはこちら

繰り返しになりますが、本当に最初にかけていただいた言葉がいつまでも自分が迷ったときの座標になっていました。“語り継がれていく作品”って記録に残していく映画にとって、切っても切れない至上命題ではないでしょうか。時代が変わり、「夕陽のあと」が上映された2019年がはるか昔となる未来に、それでも残り続けていく作品になっていくことなんだと思います。

つまり、長島の中で語り継がれる作品になるためにも時代を超越していく必要がある。そういった作品を目指していくと、長島が舞台でありながらも、自ずと長島の枠を飛び越えていく作品になっていきました。最終的に、見る人それぞれの捉え方が異なる間口の広い普遍的な作品へたどり着いたと感じています。

間口の広い作品と言いながらも、どんな人に見てもらいたいか・・・となると、子育てがテーマの作品であるため、女性に寄り添う作品となっています。加えて、今の時代に生きづらさを感じている方に見てもらいたいと思っています。救いを求めている方にとって「夕陽のあと」が道標や希望になる瞬間がきっとあると思います。僕自身、長島町に出会えたことでどれほど救われてきたか。「夕陽のあと」はきっとそんな方たちを後押しする作品であると信じています。

2019年11月8日から新宿シネマカリテ、11月9日から鹿児島ガーデンズシネマにて上映がスタートいたします。是非、劇場でご覧ください。そして、映画をご覧になった皆さんにとって長島町という場所を身近に感じていただけたら、それほど嬉しいことはありません。

劇中にこんなセリフがあります。

「島はどこにも行かん。ずーっと待っとっで。」

鹿児島県の最北端。黒之瀬戸大橋を渡ると長島町にたどり着きます。
鹿児島空港からは陸路で2時間弱。天草の牛深からフェリーに乗ってもたどり着きます。

長島町はいつでもそこにあります。

映画『夕陽のあと』

監督:越川道夫(『海辺の生と死』)
出演:貫地谷しほり/山田真歩/永井大/川口覚/松原豊和/木内みどり
脚本:嶋田うれ葉/音楽:宇波拓企画・原案:舩橋淳プロデューサー:橋本佳子/長島町プロデュース:小楠雄士/撮影監督:戸田義久/同時録音:森英司/音響:菊池信之/編集:菊井貴繁/助監督:近藤有希
製作:長島大陸映画実行委員会/制作:ドキュメンタリージャパン/配給:コピアポア・フィルム
2019年|日本|133分|カラー|ビスタサイズ|5.1ch
公式URL:yuhinoato.com

-鹿児島の地域おこし協力隊