鹿児島県喜界島の特産品を企画・販売している「HOWBE」(同町湾)はこのほど、「日本一短い航空路線」として知られる奄美大島―喜界島路線(運航会社・日本エアコミューター)をPRするグッズを制作し、販売を始めた。同社代表の谷川理さん(42)は「グッズを通してこの路線を知り、利用する人が増えてほしい」と話す。
同路線は、琉球エアコミューター運航の沖縄県北大東島-南大東島線(直線距離約13キロメートル)が、2024年7月末で運航休止となったため、同年8月1日から繰り上げ日本一となった。
PRグッズはTシャツ(サイズはMとL)とキーホルダーの2種。Tシャツは前面にシートベルトの絵柄。背面には飛行機の窓をイメージした枠に「10分 24キロ 奄美大島―喜界島 日本一短い航空路線」と英語で表記している。キーホルダーも片面に同様の英語表記。もう片面には「喜界空港」の文字を入れた。
デザインを手掛けたのは喜界島2世で千葉県在住のデザイナー・上原理恵さん。Tシャツの前面は「短いフライトにも関わらず、シートベルト着用サインが一瞬消える”面白さ”を共有したい」。背面は「飛行機の窓から喜界島が見えると胸が熱くなり、帰りのフライトでは島の姿が見えなくなるまで窓にへばりついてしまう」。そんな思いをデザインに込めたという。
谷川さんは初めて同路線に搭乗した際、その飛行時間の短さに「面白い」と興味をそそられた。以後、「喜界-奄美フライトチャレンジ」と称し、離陸から着陸までの時間を、毎回スマートフォンのタイムウオッチ機能で計り、自身のSNS(インターネット交流サイト)で、そのタイムを発信してきた。
これまで約50回計測して平均約10分、最短は6分29秒だった。谷川さんのSNSにはフライトチャレンジを「自分もやった」との反応も多く、中には「5分46秒」の最短記録情報も寄せられているという。
谷川さんは「遊園地のアトラクションを楽しむような感覚で飛行機に乗り、世界自然遺産の奄美大島から約10分のフライトで喜界島まで来られる。この路線も喜界島の魅力の一つ。グッズ販売などを通して多くの人にPRできれば」と語った。

日本一短い航空路線」をPRするグッズを制作したHOWBEの谷川理さん=11日、喜界町