現代墨絵作家、安保真さんを講師に迎えた特別講座が16日、鹿児島県知名町の県立沖永良部高校(德留健作校長)であった。書道を選択する3年生など生徒17人が参加。墨のにじみを利用した安保さん独自の技法から、墨絵の魅力や枠にとらわれない発想の面白さを感じていた。
安保さんは、飲んでいたコーヒーをこぼしてできた染みをヒントに、新たな墨絵技法「滲(にじ)み画」を考案。国内外で評価を得ている。
特別講座では生徒たちが安保さんから滲み画の手順やこつを学び、描き方を練習した後、それぞれ滲み画に挑戦した。用意された下絵に筆で水滴、その水滴に墨をにじませた後、水分を布で取り、濃淡を表現。乾燥と重ね塗りを繰り返し、作品を仕上げていった。
生徒らは「個性が出る技法だと思う。楽しい」「思うように色が出ず、難しい。安保さんはすごい」などと話しながら熱心に取り組んでいた。
安保さんは「書道は決まりが多い中で自分を出していくが、これ(滲み画)には決まりがない。生徒たちには枠を取り払って表現することを学んでほしい」と話した。

現代墨絵作家・安保真さん(手前左)の技法を学ぶ生徒ら=16日、沖永良部高校