多様な植物に親しむ 役勝エコロードで観察会 瀬戸内町公民館講座

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 鹿児島県大島郡瀬戸内町の公民館講座「植物観察講座」が12日、同町古仁屋のきゅら島交流館と奄美市住用町の役勝エコロードであった。奄美の植物に詳しい瀬戸内町の保岡海斗さん(27)が講師を務め、受講生たちは交流館で植物の葉について学んだ後、観察場所に移動。役勝川沿いの道を約2時間かけて散策し、在来植物や川の生き物など奄美の自然の豊かさに親しんだ。

 保岡さんは瀬戸内町出身。生まれ育った奄美に多くの固有種が生息することに誇りを感じ、独学で植物について学んだ。島で勉強できる機会を提供したいと今年度講座を開き、今回が3回目。講座は毎回決めたテーマで勉強した後、観察会を開いている。

 12日は午前の勉強会に14人が参加。保岡さんは、光合成など葉の役割や、葉の主要部分である葉身、葉身と茎をつなぐ葉柄などの構造を解説。常緑の奄美では開花時期が限られる花よりも、葉を見ることが種の識別では重要と強調した。

 午後の観察会は13人が参加し、瀬戸内町にも面する往復約4キロのコースを散策。葉柄の有無が外来サルスベリとの識別ポイントであるシマサルスベリや、原始的な姿を残すシダ植物のマツバラン、自身で光合成を行う一方で他の木にも寄生して栄養を取るオオバヤドリギなど多様な植物を、保岡さんの解説を受けながら観察した。川ではオオウナギやリュウキュウアユが泳ぐ姿が見られた。

 家庭菜園が趣味という瀬戸内町の堀江しげみさん(69)は「講座を通じて自然に対する関心が高まった。奄美の希少野生動植物がこの先もずっと生き続けてほしい。他の参加者との出会いもあって楽しい」と笑顔を見せた。

 保岡さんは「奄美には潜在的に植物に関心を持つ人も多い。まずは植物を観察する楽しさを知ってもらい、観察を続ける中で、外来種対策などの課題も理解してもらえれば」と語った。

講師の保岡海斗さん(中央)と植物観察を楽しむ受講生たち=12日、奄美市住用町

 

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