自然・文化資源の発信強化 ジャングリア開業へ期待も 奄美・やんばる交流推進協総会

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 奄美・やんばる広域圏交流推進協議会の2025年度総会が10日、鹿児島県奄美市名瀬の集宴会施設で開かれた。県や奄美群島12市町村、沖縄北部11市町村などの関係者ら約80人が出席。両地域の連携強化などへ情報共有を図ったほか、鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターの高宮広土客員研究員が講演。両地域に残る遺跡などから読み解く「奇跡の島」を、先史学の視点で解説した。

 協議会は歴史・地理的につながりの深い奄美と沖縄島北部のやんばるの交流推進を目的に1999年7月に設立。総会は沖縄と奄美で交互に開かれ、奄美市での開催は12年ぶり。

 役員改選があり、会長に北部広域市町村圏事務組合理事長の渡具知武豊名護市長、副会長に奄美群島広域事務組合管理者の安田壮平奄美市長が就任した。任期は2年間。今年度事業計画では12月に与論町で開催する「ヨロン・おきなわ音楽交流祭」などを承認した。

 安田市長は開会あいさつで2024年3月に改正された奄美群島振興開発特別措置法に明記された沖縄と奄美の連携や、沖縄北部で25日に開業予定のテーマパーク「ジャングリア沖縄」に触れ「奄美とやんばる、両地域の魅力を知り観光周遊する機会になると期待している。行政のみならず子どもたちや住民の交流を深めたい」と呼び掛けた。

 渡具知市長は「(ジャングリア開業などは)奄美との周遊観光の連携や航路・空路の利用拡大、両地域の自然、文化資源の発信強化につながり、奄美への誘客や産業振興への好影響も期待される。今後も観光・経済の各分野で着実に取り組みを進めたい」と応じた。

 沖縄で生まれ、米国で先史人類学を学び奄美大島を拠点に研究活動を行う高宮氏は「奇跡の島々 奄美・沖縄の先史学」と題し講演。「人類による絶滅動物がなく、ヒトの移住による島の環境への影響も最小。狩猟採集から農耕への変化があった点もユニークで、ヒトと自然が調和してきた奄美・沖縄諸島の先史時代は世界的に見ても奇跡的としか表現できない」と話し、その希少性を強調した。

約80人が出席した奄美・やんばる広域圏交流推進協議会の総会=10日、奄美市名瀬

 

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