加計呂麻ターミナル落成 瀬戸内町瀬相港=活用拡大、利便性向上に期待

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 鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の海の玄関口となる加計呂麻ターミナルの落成祝賀会が21日、同島の瀬相港であった。行政、地域住民など約150人が参加。郵便局や役場の窓口も擁し、島民の暮らしをさまざまな形で支える重要拠点の完成を祝うとともに、今後の活用拡大と利便性向上に期待した。運用開始は7月7日から。

加計呂麻ターミナルは町が奄美群島振興交付金成長戦略推進事業などを活用して2021年から整備に着手。総事業費約6億2千万円をかけて今年3月28日に竣工(しゅんこう)した。鉄筋コンクリート造り平屋建てで延べ床面積は430・21平方メートル。建物内には瀬相郵便局のほか、役場のサービスカウンターも設けられ、島を出ずに住民票など各種書類の交付やオンラインを用いた相談などの住民サービスが受けられる。

 建物内には待合スペース、多目的スペース、授乳室などがあるほか、24時間開放のトイレには男子2室、女子3室、多目的トイレ1室の個室を整備。電動バイクの貸し出しも行う。農産物保管冷蔵庫も備え、悪天候時に島外に出荷できない農産物の一時保管に活用する。同港の旧待合所は今後解体され、駐車場を約80台分まで拡大する。

 祝賀会には県、奄美大島5市町村の代表や、建設業関係者らのほか地域住民も参加。式典では鎌田愛人瀬戸内町長、県大島支庁瀬戸内事務所の上捨石斉宏所長、向野忍瀬戸内町議会議長と郵便局、施工業者代表の計5人がテープカットに参加。祝い歌や余興の席も設けられ、参加者一同で完成を祝った。

テープカットで落成を祝った加計呂麻ターミナル=21日、瀬戸内町瀬相港

 「離島の離島」とも呼ばれる加計呂麻島の町民にとって人と物の移動拠点となるターミナルは念願の施設。瀬相集落の瀬田来那区長(42)は「暑い夏を前にきれいで涼しい待合所ができて子どもや高齢者が喜ぶし、来島する人も増えると思う。役場まで行かなくても住民サービスが受けられるのもとてもありがたい」と笑顔を見せた。

 

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