「鎧を脱ごう!」主催者インタビュー永山由高さん(鹿児島リーグコミッショナー)

更新日:

今年で3回目を迎える鹿児島移住ドラフト会議。年々注目が高まり、全国メディアでも紹介され注目が集まっています。今回は、開催に向けて準備に励む同会議鹿児島リーグ(カ・リーグ)コミッショナーの永山由高氏に話を聞きました。

(文と写真・中園信吾)

今回の移住ドラフトを開催するにあたり、まさに今考えていることを教えてください。

開催直前ということで、スタッフと準備に奔走しています。自分たちも来てくれる人も楽しめるように知恵とネタを盛り込んでいるところです。気分は高まっているが、ウケるかどうか不安もあり・・・学芸会の前のような感じですね。

移住ドラフト会議が全国的な動きも見せてきていますが、全国・鹿児島それぞれに思うことは

全国的に見ると―北海道や沖縄で移住ドラフト会議が実施の動きがあります。我々は鹿児島でクオリティを意識しながらやってきたので、各地域でもクオリティを高める努力をして大切なイベントにしてほしいです。

鹿児島について―移住ドラフト会議は、移住者のため、移住者を受け入れたい地域のためという2つの面があり、私は地域に大きく比重を置いています。移住したい人に対するサポート・仕組みは整ってきていますが、移住者を受け入れたい地域に対する支援はまだまだ。そこに風穴を空けていきたい。それが結果的に移住者を大事にすることにもつながるはずです。

2016年から始まった鹿児島移住ドラフト会議。メディアでも注目され、全国各地で開催の動きが見られるようになった。

永山さん自身もUターン組ですが、それを踏まえて移住ドラフト会議参加者へ伝えたいことは。

移住ドラフト会議に参加してくれる人には、背負っているものをどんどん下ろしていってほしいです。都市部での武器や経験などを背負ってくると思うけど、鎧を脱いだ素の自分で地域に飛び込むことがつながりやすいです。せっかく鹿児島まできたのに、移住前そのままの自分では変わらない。ローカルライフの醍醐味は感じられない。地域、会社、組織、コミュニティに鎧を脱いで、素の自分で全力でぶつかったほうがうまくいくと思います。

私も鹿児島にUターンして9年になりますが、始めは背伸びしていて。それをやめてから自分の中で本当の意味で地域への着地が始まりました。今では半裸でエアギター弾いてますよ笑。私自身も素の自分になることで身軽になり付き合ってくれるコミュニティも広がり、幸福度も上がったと感じています。東京は昼働くところ、夜家で過ごす場所が違いますが、鹿児島はつながっていることは多いです。素の自分でいられると、昼と夜のギャップがなくなり、仕事にも馬力がつきますしオフも楽しめるようになるんじゃないでしょうか。

移住ドラフトというイベントを通して普段は見ないようにしている本当の自分をフラットに考えるようになると、鎧を脱ぎやすくなります。このまま暮らしても先がない、人口が減る、エネルギーも枯渇していく中でみんな限界を感じているはず。鎧を着ててもいいことないですよ笑

「鎧を脱いだ」エアギタープレイで地域を熱く盛り上げる永山さん。時には文字通り半裸になり観客を驚かせる。2018年は日本選手権で2位になり実力も折り紙付き。

移住ドラフト会議を通じて世の中がどのようになれば嬉しいですか?

地域も人も生き物なので、つながったと思えば離れる、離れたかと思えばつながっているものです。そういう意味では交流企画、移住イベントは終わりなき戦いで、そこに面白さもあります。それを踏まえて真面目な言い方をすると、人の流動性が高まる、暮らせる場所を自分の意思で選べるようになると嬉しいですね。

今年のプロ野球ドラフト会議の展望についてひとこと。

金足農業の吉田くんはやっぱり楽しみですね、大学進学からプロ入りへシフトしたのは前向きな驚きを覚えました。彼が大学進学を希望していた背景には恩師との関係があると知り、そういうことを大切にする選手は、人間性という意味でプロでも大成するんじゃないかなと思います。また、大阪桐蔭の根尾くん藤原くんはもちろん注目しています。高校卒の選手が豊作の年になりそうですね。 

移住ドラフト会議を思いついたのって永山さんですか?

3年ほど前、南九州市頴娃に向かう車の中で私が思いつきました。当時、頴娃は加藤潤さん(NPO法人頴娃おこそ会)を筆頭にまちづくりのメンバーが揃い始めてきた時期。まさに頴娃にとっては「補強」ではないかと感じ、移住ドラフト会議をひらめきました。それから頴娃に到着して「これはヤバい、天下取った」と潤さんに話したのが始まりですね。テンション上がりすぎて、めったに仕事の話をしない妻にも話しましたが反応は薄かったです笑

他に移住ドラフト会議に関わるみなさんに伝えたいこと、ありますか?

準備、めっちゃ疲れます、かなり大変です笑。移住ドラフト会議は「壮大なコント」なので、自分たちが全力で楽しまないと見てもらっている人の心にも届かない。体制もちょっとづつ揃ってきましたが、まだ背伸びしてやっています。スポンサー様、協力頂いているみなさんに気持ちよく関わってもらうほどケアできていないのを自覚しています。それでも、この取組を支えてくれる方がいるのを感じ、「鹿児島、ええ街やん」と思いながら準備を頑張っています。我々も本気でやっています、参加するみなさんも鎧を脱いで全力でぶつかってきてほしいです!

永山由高さんプロフィール

鹿児島生まれ。大学生活(福岡)、銀行員生活(東京)を経て、鹿児島へUターン。2011年から一般社団法人鹿児島天文館総合研究所Ten-Lab理事長、2016年からは株式会社ecommitの経営戦略部長。エアギターに目覚めてからは、『空気のイノベーション』に取り組み、2018年はエアギター日本ランキング2位に入賞。南九州移住ドラフト会議2018ではカ・リーグ(鹿児島リーグ)コミッショナーを担当する。MBCラジオ RadioBurn(毎週土曜日 18:30~20:30ではコメンテーターもつとめている。

 

-移住ドラフト会議, 移住者インタビュー
-