鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターはこのほど、「琉球漢籍入門」と「ある島人の日露戦争―大納宮継『征露日記』を中心に」と題したブックレット(小冊子)2冊を発行した。
ブックレットは同センターに関わる研究者の研究成果を地元に分かりやすく還元することを目的に、2015年から毎年発行。今回の2冊を含め、通算26冊となった。
「琉球漢籍入門」(定価900円+税)では、琉球人が学習した中国の漢籍と、琉球人が漢文で表した漢文著作を紹介する。
「ある島人の日露戦争」(定価700円+税)は、1875年に知名村(現知名町)大津勘に生まれた故大納宮継さんが日露戦争の従軍について書いた「征露日記」を、大納さんがその他残した資料や当時の地方新聞、日露戦争関係資料も用いながら内容を解説する。
「ある島人の日露戦争」の著者で鹿児島大学の平井一臣名誉教授(博士)は「日露戦争がどのような戦争だったのか考えるきっかけになれば。また、国の動きに国民が巻き込まれていく問題についても考えてみてほしい」と呼び掛けた。
発行所は北斗書房。購入はオンラインから。書名でインターネット検索を。県立奄美図書館にもそれぞれ3部ずつ寄贈されている。問い合わせは電話0997(69)4852鹿大奄美分室へ。販売開始は近日中。

ブックレットを手に取りPRする鹿児島大の平井一臣名誉教授(中央)と山本宗立准教授(右)、鹿大奄美分室の職員=8日、南海日日新聞社