文化庁はこのほど、100年続く食文化「100年フード」に鹿児島県与論島の郷土菓子「ぷちむっちゃー」を含む50件を追加認定したと発表した。
認定は多様な食文化の継承、振興への機運を醸成する目的で4回目。認定総数は2024年度で300件となった。奄美関係ではこのほか、「ナリみそ」「奄美黒糖焼酎」が認定されている。
ぷちむっちゃーはゲットウの葉で包んだヨモギ餅。「ぷち」はヨモギ、「むっちゃー」は餅を意味する。同島の郷土菓子に詳しい町文化財保護審議委員の沖範子さん(71)によると、節句の伝統行事「浜下(くだ)り」をする旧暦3月3日に合わせて作り、神前に供えるほか、浜に持って行って食べ、子どもの無病息災を願う。
沖さんは「ヨモギには浄化作用があり、特に女性にとって、産後の体を癒やすなど健康効果が高いと考えられてきた。昔からずっと食べ続けられている餅なので、機会を捉えて子どもたちに伝え、つないでいくのが私たちの使命だと思っている」と話した。

100年フードに認定された「ぷちむっちゃー」(ヨロン島観光協会提供)