3月31日を最後に休園となる鹿児島県沖永良部島・和泊町立和泊幼稚園(池田裕一郎園長)の第55回卒園式が21日、同園で行われた。来賓、保護者ら約30人が出席。卒園児5人の門出を祝うとともに、長年、子どもたちの成長を見守り続けた園の休園を惜しんだ。
式では池田園長が卒園児一人一人に修了証書を授与した。受け取った卒園児は出席者の前で修了証書を頭上に掲げると、「大きくなったらお医者さんになりたい」「バスケットボール選手になりたい」などと夢を発表。保護者に向けて感謝の手紙を読み上げた。
あいさつで、池田園長は「お友達や先生と一緒にたくさんの思い出をつくりましたね。この思い出は宝物にしてください。小学校でも『やればできる』の気持ちを持って、何でもチャレンジして」、村山英哲教育長は「みんなと仲良く元気いっぱいの小学生になってね」と呼び掛けた。
前登志朗町長は「和泊幼稚園はたくさんの子どもたちの笑顔と笑い声で歩んできた。休園は寂しい気持ちもあるが、卒園した子どもたちが新しい場所や社会に出て活躍していくことが園の存在をつないでいってくれるものと思っている」と述べた。
式場の壁には保護者が主体となって制作した寄せ書きボードが飾られた。満開の桜をイメージ。園OBや元職員ら約350人から集めたメッセージカードを花にし、出席者の目を引いていた。
和泊幼稚園は1970年開設。近年、園児数の減少傾向が続き、今年度は12人(前年度比11人減)だった。
25日は修了式の後、保護者主催のお別れ会が開かれる。在園児は来年度から、希望するこども園などに転園する予定。

参列者を前に、「お別れの言葉」を述べる卒園児=21日、和泊幼稚園