パイロットとして地域貢献 人材創出プログラム1期生の立山さん(奄美市出身)

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国立大学法人鹿児島大学、日本航空(JAL)、日本エアコミューター(JAC)が2020年度から5カ年計画で実施した「地域密着型パイロット人材創出プログラム」の成果報告会が10日、鹿児島市の鹿児島大学稲盛記念館であった。同プログラムの一環で、5年間実施してきた操縦飛行体験「SKYCAMP」の1期生で、2月からパイロット訓練生としてJACに入社した立山陸さん(25)=奄美市名瀬出身、奥紘輔さん(27)が成果報告を行い、地域生活を支える航空路線を維持し、地域貢献できるパイロットになることを誓った。

JACら3者は20年10月、鹿児島県を中心とした地域航空を永続的・安定的に支えていくため、パイロット人材育成に関する連携協力協定を締結。SKYCAMPは協定に基づき、鹿大生を対象にシミュレーターや実際の小型飛行機を使った操縦体験など実践型のインターンシップを開き、5年間で39人が受講した。

参加者の中から各期で最大2人のパイロット候補生を選出しており、1~4期生で7人のパイロット候補生を輩出している。

1期生で候補生に選ばれた立山さんと奥さんは、養成機関の崇城大学(熊本県)で22年から約3年間、エアラインパイロットに必要な4種類のライセンス取得に取り組んだことなどを報告。今年2月には4年前に参加したSKYCAMPにスタッフとして携わり「同じ思いを持った後輩が続いていく様子を見て、その先頭に立つ責任を感じた」と振り返った。

 

パイロット人材創出プログラムの成果報告を行う(右から)立山陸さん、奥紘輔さん=10日、鹿児島市

 

JAC入社後はATR型機のライセンス取得訓練に励んでおり、国家資格合格後に社内審査を経て、早ければ26年4月から副操縦士として乗務する。

立山さんは「地域に貢献するパイロットとしてはもちろん、後に続く後輩たちの指針となれるよう努力したい。地元である奄美の人の搭乗が楽しみ」、奥さんは「どんな状況にあっても、お客さまを安全に目的地へ送るパイロットになり、人々と地域を結ぶ橋渡し役として、故郷鹿児島の発展に貢献したい」と今後の目標を語った。

JACの武井真剛代表取締役社長は「離島に欠かせない航空インフラを支えることができるパイロットを育てるとともに、パイロットとしてお客さまに離島の良さを広く発信してほしい」と話した。

JACら3者の代表者は同日、25年度から5年間かけて実施する、同プログラム第2期に関する共同宣言書に署名した。第2期ではパイロット候補生が学ぶ養成機関について、崇城大学から豪州・アデレードにあるJAL訓練場に変更し、渡豪前にJAL本社の訓練施設で研修を受ける。

 

パイロット人材創出プログラムの第2期事業実施に向け、共同宣言を交わした(右から)JAC、鹿児島大学、JALの代表者ら=10日、鹿児島市

 

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