高校生がSDGs(持続可能な開発目標)を主体的に探究し、さまざまな取り組みを創出・発表・表彰する大会「SDGs QUESTみらい甲子園鹿児島県大会」(同実行員会主催)のファイナルセレモニーが8日、鹿児島市の鹿児島銀行よかど鹿児島本店ビル賑わい広場であった。奄美の大島北高校、大島高校を含む11校12チーム(計48人)が参加。伝統野菜の地産地消を促進し、地域活性化につなげるアクションプランを紹介した大島北高校が上位4チームに選ばれ、鹿児島銀行賞を受賞した。
みらい甲子園は2024年度、全国23エリアで開催。3回目となる鹿児島県大会には17校53チームが応募した。1、2次審査を経てファイナルに進む12チームが決定。8日のプレゼンテーション後、最優秀賞、優秀賞、鹿児島銀行賞、川商ハウス賞が発表された。
大島北高校は、2年の生徒3人によるチーム「トラベじアーマー」として参加。地元の奄美市笠利町に伝わる食文化や島野菜を未来につなごうと、探究テーマを設定した。目標達成に向けて考えたプランは、在来野菜継承者からの聞き取りやレシピ開発、食文化の周知といった取り組み。学校が地域の伝統野菜の種苗を保存する種子銀行(シードバンク)の役割も担うことで、持続可能な地産地消や地域活性化が期待できると発表。3人は「これらの活動が発展していくことで、伝統野菜が奄美の地域や集落のアイデンティティーを支えるものになる」と力を込めた。
昨年に続きファイナルに進んだ大島高校は2年の生徒7人が「大島高校英語部」として参加。奄美の伝統発酵飲料ミキに注目し、多くの若い世代に飲んでもらうための工夫や、健康寿命を伸ばすための取り組みを紹介した。

伝統野菜を使った地域活性化策を発表した大島北高校チーム=8日、鹿児島市

奄美の伝統発酵飲料ミキに着目した取り組みを紹介した大島高校チーム=8日、鹿児島市