こんにちはYakushimaFilmのシュンゾウです。
屋久島は節分を境にして、植物が眠りから目覚めた気配がしはじめました。庭の草木の葉の色の発色が日毎に鮮やかになってきています。スモモの花も咲き始めました。
昔のご先祖さまはよくいったもので、「節分」。まさに季節を分けるような時期に今があるのだなと、里の植物を観察しながらおもっています。
昔は季節の変わり目に邪気(鬼)が生じると考えられ、「立春・立夏・立秋・立冬」の前日に鬼払いの行事がおこなわれていたそうです。そのなかでも旧暦の大晦日にあたる「立春」は、一年の邪気を追い払い、新しい年を健やかに迎えるための特別な日でした。そういった背景があることから、いつしか立春の前日を「節分」と呼ぶようになったそうです。
自然災害や疫病、飢餓などの不幸な出来事の原因を鬼の仕業と昔の人はとらえていて、鬼は実存するものではなく、目に見えない邪悪な存在のたとえだったそうです。なので、怖い鬼、ユーモアのある鬼などさまざまな鬼が日本各地に存在しています。屋久島の春牧集落にも節分の時期に鬼が出現するという噂をここ数年聞いていたので探してきました。
いたいたっ!
まさか車に乗っているとは想像もしてなかったので感動してつい写真を撮ってしまいました。イルミネーションが似合う鬼だなあ。笑
夜と昼に2回出陣するようで、昼は子どもたちが集まっている健康の森公園に太鼓を鳴らしながら登場。背筋隆起と棍棒の長さが尋常じゃありません。
かなり暴れまくっていらっしゃいました。笑
途中、ウルトラマンが登場して鬼をやっつけるシーンは何とも微笑ましく、素敵な鬼が屋久島にはいるんだなあとしみじみ。
最終的には、鬼が子どもたちにやられて
「今年はこのぐらいにしといてやろう。」
「お前たち、健康で1年過ごすんだぞ。」
と言い放ち、鬼が去っていきました。
鬼さんがマイカーに向かっていく時に、インタビューさせてもらったのですが、この鬼による襲撃活動はコロナパンデミックの時に始めたそうです。
「コロナになって島が沈んだ空気になっていて、鬼を退治して元気になってもらいたくてはじめました。」
この言葉を聞いて、一気にこの赤鬼さんのファンになってしまいました。
大人たちは経済活動ばかりに関心がいきがちですが、こんな素敵な大人が、いや鬼たち(どうやら他の集落にもいるらしい)の存在がこの島の里の営みを豊かなものにしてくれているんだろうなあと思えるいい取材でした。
ちなみに、鬼の体色は人の煩悩を表現していて、「赤」は欲望や渇望、「青」は怒りや憎しみ・悪意、「緑」は怠慢や眠気・不健康、「黄(白)」は、甘えや後悔・浮ついた心、「黒」は愚痴や疑いなどを意味しているそうです。
来年は純白でお願いしますっ!笑
写真と文では伝えきれないので、どうぞ平和な屋久島の節分風景を以下の動画でご覧ください。
ではでは、またほっこりする屋久島の日常を切り取って参ります。