奄美大島いきものがたり

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年間通して奄美大島に リュウキュウメジロ

 半分に切ったタンカンに集まってくる鳥といえばメジロ。カンヒザクラの花の蜜を吸いに来る鳥といえばメジロ。メジロは私たちにとってとても身近な鳥で近年、減少しているスズメよりも見かける機会は多いのではないだろうか。

 私たちが日頃見かけているメジロのほとんどは、年間を通して奄美大島にいる亜種リュウキュウメジロだ。冬には日本本土から亜種メジロも渡ってくる。リュウキュウメジロは胸からお腹にかけて白っぽい。メジロはお腹の両脇が褐色みを帯びるため、識別は可能である。渡りのシーズンにメジロを観察するときは、こういった楽しみ方もある。

 国内に生息するメジロは6亜種に分けられている。

 小笠原諸島には、メジロならぬメグロという固有種も生息する。母島で半分に切られた柑橘類にやってくるメグロを観察したとき、幼少期に祖父母宅のタンカンを食べに来ていたメジロの姿を思い出した。メジロと近縁であるという研究報告もされている。

リュウキュウメジロ

鮮やかに紅葉 ハゼノキの葉

 奄美大島では、日本本土のような辺り一面が紅葉で覆われる景観は見られない。しかし、ハゼノキが冬の森を鮮やかに彩る。1月から2月にピークを迎え、まさに今、島内のあちこちで紅葉しているハゼノキが見られる。コバンモチやホルトノキも紅葉することが知られているが、ハゼノキのように全体的に紅葉するわけではなく、古くなった葉が赤くなるため、年間を通して一部の葉が紅葉している状況なのだ。

 ハゼノキといえばかぶれることがよく知られている。これは接触性皮膚炎の一種で、皮膚が赤くなったり、痒みが出たり、水疱(すいほう)が出来たりする。私も子どもの頃はかぶれることがよくあったが、植物の識別がある程度できるようになった今は、ほとんどかぶれることはなくなった。

 秋頃にはブドウのような実をつける。この実にはケナガネズミがやってくる。樹上でハゼノキの実を採餌していて食べ残して落としたものを、下で待機していた個体が食べるシーンを見たこともある。ケナガネズミにも序列があるのかもしれない。

紅葉したハゼノキの葉

 

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