くるりとカールした冠羽や翼の色合いの美しさから「冬の貴婦人」とも形容されるチドリ科の冬鳥タゲリが鹿児島県の喜界島に飛来し、地元住民が1日、撮影した。
「奄美の野鳥図鑑」(NPO法人奄美野鳥の会編)によると、タゲリは日本各地の農耕地で越冬する冬鳥。奄美では水田や農耕地、干潟などに飛来し、奄美大島や与論島などで確認されている。
写真を撮影したのは喜界町湾の富充弘さん(60)。同日、島内で行われた奄美群島日本復帰記念大島地区駅伝の応援でゴール地点の町役場へ向かう途中、中西公園近くの道路でタゲリを見つけた。
富さんは「最初は伐採された道路脇にいたが、近くを飛んだサシバに驚き『ミャー』と猫のような声で飛び立ち、隣の牧草地に移動した。(土地の)所有者が牧草の積み込み作業をしていたので、了解を得て撮影した。長い冠羽と体の上面が濃緑色や青、紫色に光っており、下尾筒のオレンジ色がとても鮮やかだった」とうれしそう。
「毎年この時期に喜界島にタゲリが飛来することがあるという話は聞いていたが、発見・撮影できたのは今回が初めて」という富さん。「休みには夫婦で野鳥観察によく出かける。新しい野鳥との出合いがとても楽しみ」と話した。