大島紬の魅力を東京で発信し、需要開拓を図るプロモーションイベント(鹿児島県主催)が16、17の両日、東京都中央区の銀座時事通信ホールであった。着物好きの女性ら約100人が参加し、美術館との組み合わせなど大島紬の新たな楽しみ方などを堪能した。
イベントは今年で3年目。今回は初日に着物専門誌「七尾」の鈴木康子編集長と、着物インフルエンサーのマドモアゼル・ユリアさんとのトークがあり、2日目は鈴木編集長に加え、山種美術館の山崎妙子館長、着物スタイリストの大川枝里子さんの3者が対談した。
大川さんがコーディネートした白大島と帯の組み合わせなどを紹介し、「緻密なかすり織りで写実的だがグラデーションで柔らかく描かれた紋様は日本画に通じるものがあり、さまざまな帯との組み合わせが楽しめる」と高く評価。山崎館長は「着物を着て行く場所がないと言われるが、日本美術にも通じる大島紬は美術館巡りにもピッタリだと思う」と着用していくことを勧めた。
同時に同じ会場では県本場大島紬協同組合連合会が主催する大島紬の展示即売会「大島つむぎコレクション」も開催され、泥大島や白大島、色大島など1000反余りを一堂に展示した。
長年の大島紬の愛用者だという中島真知子さん(71)=東京都品川区=は「憧れの大島紬。さまざまなバリエーションがあって自分の個性に合うものを見つけるのが楽しい」とイベントを楽しんでいた。
本場奄美大島紬協同組合の黒田康則理事長は「消費者と直接コミュニケーションすることで生産者としても気付きが多い。3年目としてだんだん消費者からの反応も大きくなっており、継続して大島紬の認知をもっと広めていきたい」と話した。