鹿児島県奄美大島の道路沿いで、絶滅の恐れのある植物アマミナツトウダイが伐採されているのが5月10日までに分かった。道路を管理する自治体の整備作業中、誤って刈り取ったという。
アマミナツトウダイは奄美大島の固有種。春になると、不思議な形の黄色い花が杯状の葉から顔をのぞかせるように咲く。もともと数が少なく、開発などで激減。島内5市町村は希少種保護条例で採集などを禁じている。環境省のレッドリストではごく近い将来、絶滅する危険が極めて高い絶滅危惧IA類。
自治体担当者らによると、該当の道路にアマミナツトウダイの自生地があることは以前から把握していたが、伐採を行わない範囲について当日作業に当たる職員との確認が不十分だったという。
関係者によると、自生していた十数株のうち、8株程度が残った状態。希少種の自生地については、生活道路などの周辺にある場合、盗掘防止の観点から目立つ印を付けにくいという課題がある。担当者は「今後は作業に当たる前に全員で場所を確認するなど、情報共有を徹底することを再確認した。再発防止に努めたい」と述べた。
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