鹿児島県奄美市の自主文化事業「奄美十五夜唄あしび」(奄美市開発公社主催)が7日夜、同市名瀬の奄美博物館であった。多数の唄者が出演し、奄美大島南部に伝わる島唄を中心に披露。約80人の観客が詰め掛け、出演者の軽妙な島口トークと唄あしびを堪能した。
イベントは昔ながらの歌遊びを再現し、市民らに奄美の伝統文化への認識を高めてもらうことを目的に毎年開催している。今年は「ひぎゃぬ心、令和に唄う」をテーマに、唄者の阿部ミネ子さん、西和美さん、永井しずのさん、里朋樹さん、白戸姫夏さんが出演した。
ステージは「朝花節」で開幕。出演者の島口トークを挟みながら「城流れ節」「諸鈍長浜節」「まんこい節」などが続いた。会場には手拍子やハト(指笛)の音が響き、最後は観客も一体となってにぎやかに六調を歌い踊った。
浴衣姿で島唄に聞き入っていた奄美市の中嶋友美さん(41)は「島唄は、西洋音楽の拍子や音調に絶対にとらわれないところが好き。大変ぜいたくな時間だった。ひぎゃ節の、特に加計呂麻地方の唄を聞く機会はあまりないので新鮮だった」と話した。