奄美大島いきものがたり

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●奄美大島と共に世界自然遺産に登録された島・西表島

世界自然遺産登録5周年を記念して、各島の希少な固有種について紹介してきた。最後は奄美大島から最も離れている西表島。今回は他3島と西表島の違いに着目しながら紹介していきたい。

 奄美大島、徳之島、沖縄島は中琉球、西表島は南琉球といわれるように、そもそも西表島は他3島と島の成り立ちが異なる。そのため、中琉球の島々は、共通種やかつて同種だったものが長い年月を経て別種となったものが多い。しかし、西表島の動植物はまるで別物である。生物相は奄美や沖縄よりも台湾と似ている。

イリオモテヤマネコ

 西表島を代表する動物といえばイリオモテヤマネコ。島内の推定個体数は約100頭といわれている。イリオモテヤマネコは鳥類、両生類、爬虫(はちゅう)類、昆虫類、魚類、甲殻類など、さまざまなものを食べる。本来、ヤマネコの仲間はネズミやウサギなどの哺乳類を食べることが知られているが、西表島には小型哺乳類が少ないことも関係して、幅広い食性になっていると考えられている。その他、カンムリワシやイワサキセダカヘビなど、奄美大島ではなじみのない名前ばかりが固有種として紹介される。

西表島のマングローブ群落に生育するニッパヤシ

西表島は島を周回するように道路が整備されており、奄美大島のように森の奥深くへと繋がる道路は少なく、現在も利用できるところはほぼ皆無である。周回道路を走行していると、広大なマングローブ群落が視界に入ってくる。奄美大島の住用マングローブ群落は国内2番目の面積を誇るマングローブだが、その上をいく1番目こそが西表島である。西表島にはヤエヤマヒルギやニッパヤシなどを含めた7種がマングローブを構成しており、種によって根の生え方もさまざまだ。

 さらに、陸地側にはサガリバナやサキシマスオウノキの巨木がごく普通に生育していることも、奄美大島とは異なる点である。マングローブを生活拠点とするコムラサキオカヤドカリも生息しており、初めて観察したときは、マングローブとオカヤドカリの組み合わせに驚いたものだ。その他にも紹介したいことはたくさんあるが、これくらいにしておこうと思う。

 奄美大島から西表島へ移動する場合、石垣島で1泊しなければならないのが不便であるが、ぜひ一度訪れてみてほしい。次回からは各島で行われている自然保護の取り組みについても紹介していきたい。   

                                    (平城達哉・奄美博物館)

-あまみじかん
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