鹿児島県沖永良部島の南栄糖業(武𠮷治社長)は1日、2025~26年期の製糖を始めた。奄美群島内の大型製糖工場では最も早い製糖開始で、今期のサトウキビ生産見込み量は11月1日現在、9万4870トン(前期実績比1万1957トン減)。この日は同社構内で搬入出発式と安全祈願の神事があり、関係機関、生産者、製糖関係者ら約90人が出席。安全操業へ決意を新たにした。
沖永良部さとうきび生産対策本部によると、町別の生産見込みは和泊3万7306トン、知名5万7565トン。収穫面積は前期比32・31ヘクタール増の1796・76ヘクタール(和泊748・16ヘクタール、知名1048・60ヘクタール)。10アール当たりの収量(単収)は5・280トン。ほ場ブリックス平均は16・67度となっている。
搬入出発式のあいさつで、同対策本部の山下元達本部長は「今期は1件も事故がなく、無事製糖作業が終了されるよう願う」と呼び掛けた。武社長は「生産者の皆さまが丹精込めて作ったキビで、感謝の心を込めながら安全に操業し、春には『今年も良かった』と言えるよう祈念する」と述べた。
原料の搬入は年内26日まで。年明けは1月6日から圧搾を再開し、製糖終了は4月7日を予定している。

安全操業を祈願し、工場圧搾機へ向かうベルトコンベアーにサトウキビを投入する関係者=1日、沖永良部島

