自然と共生した地域づくりへ マングローブ苗240本植栽 瀬戸内町

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 鹿児島県瀬戸内町の「瀬戸内町ネリヤカナヤの海協議会」(会長・上田哲生瀬戸内漁業協同組合代表理事組合長)は11月29日、同町小名瀬の干潟でマングローブの苗木約240本を植え付けた。漁業・養殖関係者や役場職員、県立古仁屋高校まちづくり研究部の生徒ら計約40人が参加。植栽は水産資源の保護と二酸化炭素の吸収促進を目指す「ブルーカーボン」の取り組みの一環で行われ、参加者は自然と共生した地域づくりに向けて汗を流した。

 ブルーカーボンは多様な生き物が集まる藻場やマングローブ林などによって二酸化炭素が吸収され、その後貯蔵される炭素のこと。生態系保全や脱炭素社会の実現に向けて、世界的に注目されている。

 同協議会は地域の海洋資源の保全を軸に、地域の漁業・暮らし・文化を未来へつなぐことを目的として2024年に設立。同漁協や同町、民間企業などで構成される。マングローブの植栽は設立前を含み、今回が4回目。

 同日は、干潟に自生するマングローブの種子から同町役場と同校それぞれで育てられたメヒルギとオヒルギの苗木を使用。参加者らは専門家の指導を受けた後、スコップなどを使って泥の中に植え付けていった。

 古仁屋高校まちづくり研究部は土や水など育成条件が異なる苗木を用意。干潟の5地点に植栽し、最適な生育条件の把握を目指す。2年の男子部員は「条件の違いで成長がどう変わるか楽しみ。元気に育ってほしい」と話した。

 植栽後は同町古仁屋の同漁協で、環境省「自然共生サイト」に認定されている島内3区域の取り組みの発表や地場産の食材を使った弁当の試食などもあった。

 同協議会事務局で同町水産観光課の禧久幸太さんは「参加者みんなで協力して植栽できた。今後、住民参加型に発展させていきたい」と語った。

マングローブの苗木を植え付ける古仁屋高校まちづくり研究部の生徒ら=11月29日、瀬戸内町小名瀬

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