外来種、ロードキル対策急務 ソテツ害虫被害報告も 世界遺産地域連絡会議 徳之島部会

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 2025年度「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島世界自然遺産地域連絡会議」の徳之島部会が13日、オンラインで行われた。環境省や鹿児島県、徳之島3町と民間団体など約50人が参加。開館から12月で1年を迎える徳之島世界遺産センターの状況や、10月に確認されたソテツシロカイガラムシ対策など徳之島の近況と対策が報告された。

 徳之島世界遺産センターは2024年12月に開館し、25年9月末現在の累計入館者数は3万9125人。団体数98件のうち3割が学校や教育関係の旅行で、環境教育への取り組みやSNS(インターネット交流サイト)を活用した情報発信に取り組む活動が報告された。

 10月に徳之島で初確認されたソテツシロカイガラムシについて、県大島支庁林務水産課が駆除方法を説明。ソテツシロカイガラムシの付着を放置すると増殖し、急速に葉枯れが進行していくと警鐘を鳴らし、繰り返し薬剤を散布して葉枯れの進行を遅らせることが最も重要だと指摘した。

 24年度に徳之島で過去最多件数が確認されたアマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)対策として、25年度から奄美群島希少野生生物保護対策協議会に、新たに下部部会として「ロードキル対策部会」を設置。最多だった42件から半減させることを目指す。

 23年5月に徳之島への侵入が確認された外来種シロアゴガエルの対策状況は、24年度は生体捕獲数と泡巣駆除数ともに減少。しかし、25年度は生体捕獲数が既に前年度を上回っており、その半数以上が徳之島町亀津北部の1地点で捕獲されていることが報告された。環境省徳之島管理官事務所は「対策が遅れると大量の繁殖を許してしまう。今後は生産個体を減少させる手段を見つける必要がある」と述べた。

 この他、23年度のモニタリング評価で、徳之島は飼い猫の管理状況について、マイクロチップの装着率や室内飼養率が低いことから、今後も適正管理が必要として評価が「B」とされていることなどが指摘された。

開館から12月で1年を迎える徳之島世界遺産センター=16日、徳之島町花徳

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