ダイサギソウ盗掘か 奄美大島・名瀬の山林=希少野生動植物、パトロール強化

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 鹿児島県奄美市名瀬の山林で11日、奄美大島5市町村共通の希少野生動植物保護条例で採取が禁じられているダイサギソウ1株が消失しているのが見つかった。奄美市は盗掘の可能性が高いとして16日に奄美署に報告し、パトロールの強化を依頼。市内にある他の自生地に監視カメラを増設するなど警戒を強めている。

 ダイサギソウは千葉県以西に分布する地生ラン。日当たりの良い草原や林縁に生え、秋に美しい純白の花を咲かせる。開発や園芸採取などで減少し、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠB類に位置付けられている。

 消失しているのを発見したのは県希少野生動植物保護推進員の釣谷洋輔さん(46)。パトロールも兼ねた通勤時に見つけた。釣谷さんは毎年現場付近のダイサギソウを見守っていると言い、今年は今月6日に開花を確認。11日に地面から掘り返されているの確認し奄美市に連絡した。市では同日、島内他4町村や環境省とも情報共有。条例違反の可能性があるため、16日に奄美署に報告した。

盗掘されたとみられるダイサギソウ=6日、奄美市名瀬(同市提供、釣谷洋輔さん撮影)

 釣谷さんは「世界自然遺産の島で条例にも指定されている希少な植物。昔はたくさんあったから採ってもいいとかそういう話でもなく、自然に生えている姿をめでてほしい。啓発チラシなどもあるので、島民の方にはいま一度、条例などで指定されている動植物を確認してほしい」と話した。

 島内5市町村では2013年10月に条例で、ダイサギソウを含む植物35種、動物22種を希少野生動植物に指定。許可のない採取や捕獲は禁止されており、違反した場合は1年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金が科せられる。

ダイサギソウが地面から掘り返された現場=11日、奄美市名瀬(同市提供、釣谷洋輔さん撮影)

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