鹿児島県徳之島・伊仙町の阿権(あごん)小学校(安樂強校長、児童数9人)は6月30日、児童がガイドとなって地域外の人々に集落の魅力を伝える「島っ子ガイド」を実施した。前日開催されたトライアスロンIN徳之島大会に出場した選手らが参加し、集落内を散策。児童らは地域の名所や文化などをクイズも交えて紹介し、大会を終えた選手たちに地域の魅力をPRした。
児童らが地域の自然や文化、歴史に理解を深め、将来の観光地づくりを担う人材の育成を図るのが目的。この日は、トライアスロンの出場選手や家族など22人が阿権集落を訪問。阿権小を発着点に、児童らの案内で約1時間半、集落内にある阿権八幡神社や「300年ガジュマル」と呼ばれるガジュマルの大木、阿権渓谷などを巡った。
児童らは「阿権八幡神社のディゴの木にいたといわれる生き物は?」「ガジュマルの花言葉は何でしょう」など、それぞれの場所にまつわるクイズを出題し、その魅力について詳しく紹介。島の基幹作物であるサトウキビやジャガイモの生産量などについても説明し、参加者をうならせた。
集落を案内した5年生の児童は「島の魅力を知ってもらえて良かった。自分のお気に入りスポットは300年ガジュマル。来年はまた、たくさんの人とお話を楽しみたい」と笑顔で話した。
トライアスロン出場で初めて徳之島を訪れたという鈴木丈晴さん(60)=愛知県=は「のどかな雰囲気が漂う小さな集落にたくさんの魅力があることに驚いた」と話し、「何よりも、子どもたちの生き生きとした表情が素晴らしい。工夫したガイドで、楽しく島の魅力に触れることができた」と喜んだ。

児童の案内で集落を歩き、名所や伝統の風景を満喫した阿権小の「島っ子ガイド」=6月30日、伊仙町阿権