住みやすい環境、次世代へ 龍郷・安木屋場集落=有志が地域活性化プロジェクト

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 鹿児島県奄美大島・龍郷町の龍郷集落と安木屋場集落の有志住民らはこのほど、未来の子どもたちが住みやすい環境づくりを目指す「奄美・龍郷の地域活性化プロジェクト」を立ち上げた。発起人は龍郷小学校の住友智光校長(53)と龍郷集落の志村商店店長、志村淳哉さん(59)。今年で創立150周年を迎える龍郷小の存続のため、校区全体を盛り上げようと協力を呼び掛けている。

同校に通う児童は現在18人で20年前の約半数。25年度の新入生はゼロとなる見込みだ。「子どもたちが増えなければ学校に未来はない」と懸念する住友校長は、毎朝児童らの登校を見守る志村さんと思いを共有し、創立150周年に合わせて同プロジェクトを発案した。

活動の運営を担うのは、龍郷、安木屋場の両集落住民や同校PTA、地元事業者などで構成するプロジェクトチーム「南洲翁龍愛未来塾」。地域ならではの環境や文化を発信し、龍郷小校区の魅力向上や人口増を図る。

プロジェクトの柱は①環境整備と子育て支援②豊かな自然を未来につなぐ③歴史や伝統文化を未来につなぐ―の三つ。

具体的には、子ども食堂や海岸清掃の実施、野鳥を守るための田んぼの再生などを検討している。11月9日には同町龍郷の西郷小浜公園で活性化イベント「おでもりフェスティバル」を初めて開催する予定。島唄や八月踊り、抽選会などさまざまな催しを企画している。

空き地・空き家対策にも力を入れる。奄美群島内で空き家再生事業などを手掛けるNPO法人あまみ空き家ラボ(佐藤理江理事長)と協力して取り組みを周知し、空き地を借り上げてUターン者や移住者などを呼び込みたい考えだ。

喜界町出身の住友校長は「過疎化が進む出身地と(同校区が)重なって見える。学校が無くなると集落に子どもの声もなくなる。集落の一員としてできることをしたい」、志村さんは「一足飛びにはいかなくても一歩ずつ(進めたい)。世代間や移住者とのギャップが無くなり、一体感のある集落になれば」と話した。

 

龍郷小校区の活性化を目指すプロジェクトを立ち上げ、協力を呼び掛けている住友智光校長(左)と志村淳哉さん=15日、龍郷町龍郷

 

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