鹿児島県奄美大島・龍郷町の町制施行50周年記念式典が16日、同町りゅうゆう館で開かれた。町民や出身者、同町にゆかりのある人など約600人が出席。同町の半世紀の歩みを振り返るとともに、今後の末長い繁栄に期待を込めた。
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半世紀の歩みを振り返った龍郷町の町制施行50周年記念式典=16日、龍郷町りゅうゆう館
町制が施行されたのは1975(昭和50)年2月10日。龍郷村から龍郷町となった。「平成の大合併」では近隣市町との合併を選ばず、単独で町制を維持。移住促進などに力を入れており、人口動向は安定している。町によると、2025年1月31日現在、人口は5997人。
式典オープニングでは、同町PR動画を上映し、50年前から現在にかけての変遷を映像で紹介。懐かしい風景や人々の姿が映し出されると、出席者たちは驚きや感動の声を漏らしていた。
同町秋名・幾里地区の伝統行事「平瀬マンカイ」も披露された。保存会メンバーら約30人が出演。男女が向かい合って歌を掛け合い豊作を祈願した後、八月踊りを繰り広げる一連の流れを再現した。
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オープニングで平瀬マンカイから八月踊りまでの流れを披露した秋名・幾里地区の平瀬マンカイ保存会=16日、龍郷町りゅうゆう館
竹田泰典町長は式辞で、50年間の主な出来事を振り返り「『歴史と文化で創る活力と幸せが実感できるまちづくり』を旗印に次の50年に向けて歩みを進めてまいりたい」と述べた。
町政功労者表彰では、地方自治功労、教育文化功労、産業経済功労の3部門で計22個人2団体を表彰。竹田町長が代表者4人に表彰状を手渡した。
来賓祝辞では、塩田康一県知事(代読)、高岡秀規大島郡町村会会長(同)、田畑千秋東京龍郷会会長がそれぞれあいさつ。50年の節目を祝福し今後の発展を願った。
最後は全員で町民憲章を朗読し、町民歌を斉唱。式典後は同館で記念祝賀会もあり、関係者らが食事や余興を楽しみながら喜びを分かち合った。