鹿児島県沖永良部島・和泊町玉城集落(山田洋文区長、180世帯)は11月24日、同町立和泊中学校あかね文化ホールで集落に残る歌と踊りの収録を行った。山田区長(63)は「高齢化で教えられる人が少なくなっている。映像や冊子に残し、子どもたちに伝統文化を伝えていく場をつくっていきたい」と話している。
町のアグトラスト基金を活用した取り組みで2024年度始動。国立国語研究所と連携し、集落の歌、踊りのほか、方言を冊子、CD、DVDなどにまとめて記録することで、保存・継承活動の活性化などを目指している。
24日は集落の芸能保存会をはじめ青壮年団、民謡クラブなどから小学1年生~90代42人が参加。「ふくらしゃ」「万上主」「仲里節」など踊り5曲、「かにがゆいしまる」「浜千鳥」など民謡3曲を各団体が担当し、終日かけて映像に収めた。
中心となって踊りを指導し、歌や方言の継承にも尽力している前田アイ子さん(89)は「昔はあまり娯楽もなく、集落の踊りや歌を習いたいという人もたくさんいて楽しかった。今の若い人は興味がないようで、後継者育成が難しい。でもなくしてはいけないと思っている。自分の体が続く限りは協力したい」と思いを語った。