国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊」が旧暦10月15日の15日、鹿児島県与論町の地主(とこぬし)神社境内で奉納され、島の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
言い伝えによると、与論十五夜踊は1561(永禄4)年に創作され、毎年旧暦3、8、10月の各15日に奉納される。踊りは二番組と一番組で構成され、交互に踊りを奉納。二番組は琉球風の手踊りや扇踊り、一番組は本土の狂言風の踊りを見せる。
この日はあいにくの雨天だったが、踊りが始まると雨がやみ、「雨賜(あみたぼう)り」(二番組・一番組合同)、「一度いふて」(二番組)、「三者囃子(さんばすう)」(一番組)などを奉納。観光客や地元住民らが熱心に観賞していた。
祭主の田畑克夫町長は「この場を借りて先週の水害に遭われた方々へお見舞い申し上げる。まだ復旧途中だが、できることを尽力していきたい。私たちはこれから、地震、雨の水害、台風、いろんな災害に強い島にしていかなければいけないと感じている。この伝統ある踊りを必ず守っていくと改めて決心した」とあいさつした。
踊りの前には恒例の奉納相撲大会もあった。