秋の味覚マコモダケ(真菰筍)が旬を迎えている。鹿児島県奄美大島・龍郷町の秋名コミュニティーセンター近くの田袋で3日、秋幾マコモ生産組合(重山栄仙組合長)による産地直売会が始まり、町内外から多くの人が新鮮なマコモを求めて訪れにぎわった。
マコモはイネ科の多年草で、茎に黒穂菌(くろぼきん)が入ると根元の部分が肥大して「マコモダケ」となる。食物繊維が多く、カリウム、鉄分、葉酸などの成分が含まれている。油との相性がよく天ぷらや炒め物に最適で、生でも食べられる。柔らかいタケノコに似た食感と甘みが特徴。
重山組合長(74)は「黒穂菌は見た目から敬遠する人もいるが、食べられる菌で、栄養価が高い。昨年から夏の暑さで収穫期が平年より1週間ほど遅れており、収穫量も3分の1ほどに減っている。厳しい状況だが、秋の味覚を多くの人に楽しんでほしい」と話した。
2年ほど前に東京都から町内に移住したという笹岡啓子さん(49)は「奄美に来て初めて食べたマコモのおいしさにびっくりした。天ぷらにして食べたい」と笑顔を見せた。