環境省奄美群島国立公園管理事務所は20日、鹿児島県奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターで、運転中に見掛けて危ないと感じた野生生物を地図上にシールで貼り注意を促す企画「みんなで作ろう!あまみのいきもの飛び出し!注意マップ」を始めた。夜道で動物がどのように見えるかの写真も併せて展示し、来館者に生き物に配慮した安全な運転を呼び掛けている。11月13日まで。
同省が毎年実施する「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」(9月15日~11月15日)の一環。注意マップの作成は来館者参加型の企画で、昨年はクロウサギのみを対象としたが今年は「ケナガネズミ」「アマミヤマシギ」「リュウキュウコノハズク」の3種を追加した。いずれも同省が把握する交通事故件数の多い在来種。
20日は同省奄美野生生物保護センター(大和村)のマスコットキャラクター「あまくろ」君も駆け付け、来館者向けの特別ツアーも実施した。同省希少種保護増殖等専門員の鈴木真理子さん(42)は「国道や県道、道路上や道路脇などどこに生き物がいてもおかしくない。夜の運転は止まれるスピードでお願いします」と注意を呼び掛けた。
同省によると20日現在、奄美大島における今年1月からのアマミノクロウサギの交通事故件数は76件。うち75件で死亡し、残る1件は道路上でけがをした状態で見つかったが逃げたため保護できなかった。 同省では奄美市笠利町の奄美空港でも10月15日まで、アマミノクロウサギの生態や交通事故に関する展示を行っている。