鹿児島県出身でメジャーリーグでもプレーしたプロ野球選手の川﨑宗則さん(42)を講師に招いた野球教室が10月9日、徳之島町健康の森総合運動公園野球場であった。「ムネリン」の愛称で親しまれる川﨑さんは、持ち前の明るさで積極的に子どもたちに声を掛けながら野球の楽しさや一つの事を継続することの大切さを伝えた。ㅤㅤㅤ
川﨑さんは姶良市出身。1999年に県立鹿児島工業高校からドラフト4位指名で福岡ダイエーホークス(当時)に入団。2006年、09年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表を務め、12年にはシアトル・マリナーズでメジャーデビューを果たした。20年からBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスで内野手としてプレーしている。
教室は徳之島3町の教育委員会が主催。島内のスポーツ少年団の児童や中学野球部の生徒約140人が受講した。川﨑さんはテレビなどでおなじみの前向きで熱いキャラクターそのままの姿で、約3時間かけて子どもたちへの指導に汗を流した。
指導後に川﨑さんは「上達するためには失敗が必要。なぜ駄目だったのかを考え、自分なりの方法を考えることが大事。1日1回でも毎日できることを継続して」と助言し「支えてくれる指導者や両親への感謝の心を忘れずに野球を続けてほしい」と児童らへエールを送った。
受講した亀津小の児童は「バッティングでボールの内側を打つことを意識するとセンター方向に打球を飛ばしやすいと教えてもらった。川﨑さんが伝えてくれた失敗を恐れず全力で野球を楽しむ姿勢を忘れずに僕もプロ野球選手を目指したい」と目を輝かせた。
同教室は大阪市で飲食店を営む福山泰司さん(64)=伊仙町阿三出身=が「古里の子どもたちにも本物を見てもらいたい」という思いから物心両面で支援した。14年からバレーボールのプロ選手を徳之島に招いている福山さんは「島の人からぜひ野球教室もと依頼があって開催した。忙しいスケジュールを縫って来島してくれた川﨑さんに感謝したい」と笑顔を見せた。