奄美群島最南端・美しいサンゴ礁で囲まれた与論島。島の全周は約23.7キロ、人口は約5,000人ほどの離島ながら、2022年には5万人もの観光客が訪れました。
与論島といえば
そんな与論島に行くなら「ここ一択!」と言われているのが「百合ヶ浜(ゆりがはま)」です。潮が引いたときにだけ現れる希少性の高い浜辺なのですが、百合ヶ浜については、与論島在住ライター「はなアンニャー」さんの記事がわかりやすいので、コチラをぜひご覧ください。
ただ、与論島の目玉スポットは、百合ヶ浜のほかにもあります。絶景だけど、クスッと微笑んでしまうスポットをご紹介します。
ヨロンたびの道しるべ
与論島を車で走っていると、そこここにナンバーが振られた位置標識が立っています。島内のあちこちに60本ほどあるので、島をめぐっていてどこに行こうか迷ったときにはこの標識を目指すと楽ちんです
ハト...?
どこに向かうかを特に決めずにドライブしていたとき、T字路で見つけたのがこちらの標識。これまでに見かけた標識に示されているのは、海岸やお店の名称だったり、交差点などのポイントばかりだったのに、このキャッチーなネーミングはなに…!と、迷わず向かうことにしました。
クルマ1台が通れるだけの道を進んでいくと、開けている場所が出てきます。クルマ・バイク・自転車などの駐車スペースのようです。
島の守り神にごあいさつ
ハトの湖に向かう道中にて、与論島南部の朝戸集落に、約800年前に島を守ったと言われている英雄・按司根津栄(アジニッチェー)を祀った「按司根津栄神社」がありました。按司根津栄は、島の守り神として、いろいろな伝説が残っていて、島のあちこちに史跡があります。駐車スペースの奥に、鳥居があるのですが、これもそのうちのひとつだそうです。
こぢんまりとした祭壇に手をあわせてから、いよいよハトの湖へ向かいます。
かわいい目印
鳥居の反対側に小径が続いているので、道はわかりやすいのですが、目線をすこし下げてみると、ペイントしたかわいい目印がふたつあります。
そこからどんどん奥へと進んでいくのですが、気をつけないといけないことが3つあります。
ひとつめは、あちこちに蜘蛛の巣が張られていること。目を凝らさないとあっという間に捕まります…。
ふたつめは、ハチ。季節によりますが、アシナガバチがよく飛んでいます。たくさん飛んでいるときはすこし様子をみてから進んでください。
みっつめは、アダンの木のトゲトゲの葉っぱ。見た目からして触ると痛そうなのですが、実際には触るどころか、すこし触れるだけでも想像以上に鋭くて痛いので驚きますよ。
どうぞ気をつけてくださいね。
ハトの湖のまえに...
そうして進んでいくと、一気に周囲が開けて、突然エメラルドグリーンの海が視界いっぱいに広がります。この場所は高台なので、海を見下ろすことができ、視界を遮るものもないため、本当に目を奪われてしまいます。これがほんとうに海なんだろうか、人工的なもの…入浴剤じゃないの…?とさえ疑ってしまうような景色でした。
ヨロンの海はきれいだと聞いてはいたのですが、ここまでとは思っておらず、見渡す限りの鮮やかなヨロンブルーに釘付けになりました。
まさかの湖
サンゴ礁を踏みしめながら周囲に目を遣ると、鎮座していたのが立派なこの石碑です。
しかし重要なのはこの碑ではなく、そのすぐ下のこの穴の水たまりなんです。穴・水たまりというのは少々失礼だったでしょうか…!
実はこの中の水は、どんなに長い間日照りが続いて雨が降らなくとも、一度も枯れたことがないそうです。
なぜハトなのか、碑の裏面を覗いても何も書かれていなかったので、調べてみたところ、先程紹介した按司根津栄が飼っていたハトの水飲み場であったことがゆえんとされているそうです。
ぜひ与論旅の選択肢に
たまたま見つけた「ハトの湖」が、まさか史跡だったなんて、うれしいハプニングでした。そして高台から見る与論島の海は格別ですので、ぜひ島を訪れた際には標識を探してみてください。
これがほんとうの...!
帰り際に目に入り、思わず二度見をして、車を停めて撮ったのがこちらの写真です。リアルにハトが水たまりでくつろいでいて、本当の「ハトの湖」を見ることができてほっこりとした気分になりました。
▼スポット情報
ハトの湖
〒891-9307
鹿児島県大島郡与論町古里1990-3
▼参考
按司根津栄神社 公式サイト
https://ajinicchee.jimdofree.com/