2023年のゴールデンウイーク(GW)が終わった。今年は4月29日~5月7日で、期間中の平日2日間を休むと最大9連休になった。新型コロナウイルス禍に伴う行動制限がなく、鹿児島県奄美群島各地で帰省、観光来島者による宿泊、レンタカー利用が活発化。曇りや雨の日が目立ち、観光関連は屋内施設を中心ににぎわいが増した。5月3~5日はイベントが多く、島民の外出も後押しした。そんな中、群島内外を結ぶ定期船はコロナ対策の乗客定員制限が5月7日(コロナ5類移行前日)まで続いた影響もあり、供給不足が生じた。
奄美大島は多くの宿泊施設やレンタカー業者で予約、利用が好調。奄美大島と喜界島でレンタカー事業を展開する園田モータース(本社喜界町)は増員しても空港―店舗間の送迎が追い付かず、予約客から催促の電話が入る場面も。北之園平営業部長は「夏に向けても増員できる当てはない」と人手不足に頭を抱える。
島内は来島利用とみられるレンタカーが行き交い、思い思いに観光を満喫。奄美の自然を模擬観察できる屋内施設「奄美大島世界遺産センター」はGW9日間で延べ7620人が訪れた。一方、屋外でカヌーを体験できる隣接施設「黒潮の森マングローブパーク」の稲元義人管理課長は「利用者数はコロナ禍以前に近づいてはいるが、GWとしては想定より少なかった。雨が多かった影響もあるかもしれない」と話した。
徳之島では恒例の闘牛大会が開催された5月2~5日に来島者が増加。特に5日は好取組に加えて人気ミュージシャンも出演し、3千人以上が会場に詰め掛けた。「客の入りはコロナ禍以前に戻った感触」と大会関係者。徳之島町のホテル関係者も「3~4日がピークで満室」と振り返った。
沖永良部島では帰省客の来島が目立った。おきのえらぶ島観光協会の西温子事務局長は「コロナ禍でできなかった年の祝い、敬老の祝いなどで親戚が集まっていた様子。1~2年越しにさまざまなお祝いをまとめてしたという話も聞く」と人流活発化を実感する。
ヨロン島観光協会の町岡安博事務局長も「4年ぶり開催の『銀座通り感謝祭』に多くの人が来場するなど、久しぶりににぎやかなGWとなった」と喜ぶが、一方で「群島を結ぶ定期船が満席となり、与論島に来たいのに来られなかったという声を聞いた」とも語った。
奄美群島を経て鹿児島と沖縄を結ぶ定期船を運航するマルエーフェリーによると、7日までコロナ対策で座席数制限が続いた中、スポーツ関連の団体利用が大部分を占め、満席で予約を断る状況も生じた。コロナの感染症法上の5類引き下げに伴い、8日以降、座席数制限は行っていない。