鹿児島県奄美大島の宇検村立名柄小中学校(迫田尚久校長、児童10人、生徒3人)の入学式が6日、同校体育館で開かれた。小学校、中学校ともに1人ずつ入学し、小学校唯一の新入生として、村の親子山村留学制度で静岡県から同村へ家族で移住した廣瀬祐羽君を迎え入れた。式には保護者や来賓のほか地域住民も出席し、児童生徒の門出を祝った。
廣瀬君は中学1年生と共に、温かい拍手に迎えられて入場した。名前を呼ばれると緊張した面持ちで返事をし、在校生や保護者らへ一礼。「(学校では)サッカーを頑張りたい」と抱負を述べた。初々しい様子に出席者らも目を細めていた。
在校生代表が「新しい出会いと感動がたくさん待っています。一緒に学校生活を楽しみしょう」と仲間入りを歓迎。迫田校長は式辞の中で廣瀬君へ、「分からないことは先生やお兄さん、お姉さんに何でも聞いて、良いことはどんどんまねしてください。家では早寝早起きをして、できることは自分でするようにしましょう」と語り掛けた。
宇検村では2010年から、児童生徒とその家族の小規模校区への移住を支援する「親子山村留学制度」を開始。名柄小中学校では今年、3世帯計6人の児童生徒を受け入れている。
参列者前列でわが子の晴れ姿を見守った廣瀬君の父竜介さん(42)、母聡代さん(43)は、「6年生の兄、4年生の姉も今年入学する。自然いっぱいの環境で伸び伸びと自分らしく育ってほしい」と話した。