鹿児島奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターは5日、来館者数10万人を突破した。昨年7月26日のオープンから8カ月あまり。関係者は「観光客はもちろん、地元の子どもたちの学習施設としても活用してもらっている。今後も観光、環境教育、奄美の魅力発信の場として役立ててもらいたい」と喜んだ。記念セレモニーが開かれ、節目の来館者に記念品が贈られた。
センターは、奄美・沖縄の世界自然遺産登録から1年の節目に合わせてオープン。奄美大島5市町村と環境省などでつくる「奄美大島世界遺産センター管理運営協議会」が運営している。カヌー体験などで人気の「黒潮の森マングローブパーク」に併設され、奄美の森を再現したジオラマに、動植物135種の剥製や模型が展示され、大画面の映像や音響と合わせて日夜で移り変わる自然を疑似体験できる。
10万人目の来館者は、ドイツから日本に観光で訪れている会社員ジョアン・レニーフーバーさん(57)。入口で待ち構えた関係者らからチヂン(太鼓)やハト(指笛)の大歓迎を受け、アマミノクロウサギグッズや動植物のハンドブック、世界自然遺産推進共同体提供の航空券などの記念品を受け取った。
奄美訪問は「人生で一度しかないような面白い場所へ行こう」との思いで決めたというジョアンさん。「ユニークで他にはない自然環境が興味深い。航空券をもらったので、2度目もまた喜んで訪れたい」と笑顔を見せた。
同センター管理運営協の信島賢誌幹事長(奄美市市民環境部世界遺産課長)は「新型コロナの行動制限緩和で、これからさらに来島者が増えると思う。多くの人に奄美の魅力を伝えるとともに、ビジターセンターとして奄美各地を紹介し、観光客が一カ所に集中することを防ぐ役割もしっかり担っていきたい」と話した。
世界遺産センターの開館時間は午前9時から午後5時(入館は午後4時半)まで。毎週木曜と年末年始(12月29日~1月3日)は休館。