ハブとクロウサギが対峙 山中であるべき奄美の生態系 星野さんが遭遇し撮影 奄美市住用町

更新日:

 鹿児島県奄美大島の山中で2月24日午後8時ごろ、毒蛇ハブと国の特別天然記念物アマミノクロウサギの幼獣が対峙(たいじ)する様子が目撃された。奄美市名瀬の市職員星野蒼一郎さん(27)が遭遇し、写真と動画に収めた。

 この日、星野さんは生物調査で奄美市住用町の山中へ入っていた。目測で1・7メートルを超えるハブを見つけ、ハブの視線の先にはアマミノクロウサギの幼獣がいた。アマミノクロウサギはハブに気付いている様子で微動だにせず、お互いにらみ合ったままのこう着状態が5分ほど続いた。この間、ハブは徐々にアマミノクロウサギに近づき、狙っている様子が見て取れたという。

 車中から事の成り行きを見守っていると、アマミノクロウサギが車に気付き素早く逃走。星野さんは「ハブには申し訳ないことをした。ハブがクロウサギを捕食するシーンは幾度か記録があるものの、実際その局面に至りそうな場面だった」と振り返った。

 環境省によると、保護対策により、奄美大島と徳之島のアマミノクロウサギの推定個体数は約2万2000匹(2021年時点)まで増加している。「今後、クロウサギの個体数が回復する中でこのような光景が見られる機会が増えるかもしれない」と星野さん。「奄美ではハブは在来の捕食者であり、クロウサギはその環境の中で生き延びてきた固有種。あるべき奄美の生態系の姿、命を巡る緊張感が見て取れた」と話した。

対峙するハブとアマミノクロウサギ=2月24日午後8時ごろ、鹿児島県奄美市住用町(星野蒼一郎さん撮影)

『南海日日新聞』LINEニュース配信中

その他のニュースはLINEでチェック!

友だち追加

-あまみじかん
-, , , ,