「屋久島にいると地球を感じる」 「この世界に屋久島があってよかった」 「屋久島は世界の希望」
2026年1月30日から2月1日に開催された「屋久島と地球の未来会議」の参加者の会話の中から、そんな言葉が聞こえてきた。

僕はイベントの実行委員として関わりながら、「記録と記憶」のセッションにホストとして登壇し、あわせてイベントの記録撮影も担当した。
「未来会議」という言葉から、今あるものをどう守り受け継いでいくか、これからどんな未来を生きていきたいか、といったことを話し合う場であると想像していた。しかし、そこに「地球」という言葉が入ってくると、あまりにも壮大すぎて、このイベントから何が生まれるのか、関係者でありながらも正直見当がつかなかった。

イベントは3日間にわたって開催され、地元の高校生や島外からの大学生ボランティア、子供、大人と世代もさまざまの130名以上が参加した。 DAY0では島外からの参加者を対象に、屋久島の自然や文化の解像度を高めるプログラムを実施。DAY1からは島民も合流し、フィールドワーク形式で島内の事業者やレジェンドたちの拠点を巡りその活動から学んだ。最終日のDAY2は、屋久島町役場と「まんてんの宿」で、午前・午後にわたりトークセッションが開催された。

屋久島の森から学ぶコミュニティの在り方
多種多様な人が集まり、歴史、文化、アート、アニミズム、自然環境など、幅広いテーマでセッションが行われた今回の「未来会議」。その結果、参加した何人もの口から「今日ここで話し合ったすべてのことが交わり、影響し合い、これからの未来を創っていく」という言葉が漏れた。 参加者は自分の興味関心があるセッションを選び参加したが、実は選ばなかったセッションの内容もパズルのピースであり、一つの大きな絵を描くために不可欠な要素である。そう実感できたことは、非常に大きな収穫だったと思う。
それはまるで、屋久島の森そのものを表しているようだった。

屋久島を訪れる多くの観光客が目的とする「屋久杉」は、他の多くの植物、苔類、菌類が多様に存在することで初めて成り立っている。命のサイクルが早い植物は土となり、他の生き物の住処や巨木が根ざす土壌を作る。 これらすべてが完璧に機能することをサポートするのが、屋久島の恵みの雨だ。
言うなれば、今回のイベントを主催した福元氏の想いや行動がその「雨」であり、多様な人々を一箇所に集めて語り合ったことで、他者の活動や考えを知り、自分たちは一人ではないことに気付かされたのだ。

このイベントは多くの方々の協力・協賛があって開催されたが、それらを取りまとめ、形にした福元氏には心から敬意を表したい

「子供の頃は未来に希望なんて抱いていなかった」と話す主催者の福元 豪士さん(@takeshi_fukumoto_yakkun)
そんな感性を持ち屋久島で生まれ育った彼だからこそ、このイベントの空気感を作り上げられたのであろう
屋久島と地球の未来会議を経て
イベントを終えて1週間が経とうとしている。 会場にいた全員と話せたわけではないし、想いは人それぞれであることを前提として、この会がどんなインパクトを生んだかを一言で表すなら、それは「出会い」に尽きると感じている。
過去を振り返れば、一人の人間との出会い、あるいは一言の言葉で人生が大きく変化した経験は何度となくある。 屋久島の中に限定しても、普段それぞれのフィールドで活動するメンバーが一か所に集い、話し合う機会は決して多くない。 今回はさらに広い範囲から、この神秘の島にこれほどの人々が集まり、課題だけでなく夢や希望についても語り合った。この3日間は、まさに未来への希望そのものである。
一人だったら諦めてしまうことも、仲間がいれば継続できる。 「屋久島と地球の未来会議」をきっかけに、そんな輪がどんどん広がり、島にとっても世界にとっても明るい未来へと繋がっていくことを願っている。
「屋久島は地球の縮図だ」と、島に住む人々はよく口にする。この3日間を通して、参加した一人ひとりがその鼓動を同じように感じ取ってくれたのだとしたら。この会議は名実ともに、屋久島から世界へ向けた「地球の未来会議」になったのだと、僕は確信している。

イベントの様子は動画にまとめて発表する予定なので、公開されたらぜひご覧いただきたい。
主 催
NPO法人 HUB&LABOYakushima
HP:https://hublabo.org/yakushima-conference2026/
取材・写真・文:SHU ITO / YAKUSHIMA FILM