伊仙の墓石はどこから?  山川石の歴史、松﨑さんが講演 伊仙町

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 鹿児島県徳之島の伊仙町に残る古い墓石を考察する講演「伊仙町と山川をつないだ黄色い墓石」(同町教育委員会主催)が7日、同町のほーらい館であった。県内の墓石を研究している同県指宿市の市教育委員会の学芸員松﨑大嗣(ひろつぐ)さんが講師を務め、墓石に使われている「山川石」を通じた歴史をひも解いた。

町内に残る山川石製の墓地について解説した松﨑大嗣さん(右)と質問する来場者=7日、伊仙町

 山川石は指宿市の山川港南側で採れる黄色い石。火山の噴出物が固まってできた火砕岩で、軽くて加工がしやすく風化しにくいことから、島津家の墓石にも代々使用されてきた。

 松﨑さんは2014年ごろ、鹿児島市の島津家墓所の国史跡指定に向けた取り組みの中で山川石の研究を開始。南薩から琉球列島までの地域を調査し、確認された黄色の墓石のほとんどが山川石製だったことが分かってきたという。

 奄美群島では奄美市住用町の住家墓地や瀬戸内町篠川の芝家墓地、喜界町の赤蓮ターツーミー古墓群にも使われており、徳之島では伊仙町伊仙墓地などで確認されている。

 このうち伊仙町には、他の島でほとんど見られなかった島津家と同じ宝篋印塔(ほうきょういんとう)の墓地があるのが特徴。その経緯は明らかになっていないが、松﨑さんは「山川石は島津宗家専用の墓石として厳格な利用が考えられてきたが、多様な階層や地域で利用されていたことが分かった」と指摘した。

 また、徳之島では山川石と似た石で、地元で採れる黄色の「本川(もとごう)石」も使われていることが判明。製作年代や石切り場、石工らの暮らしについても今後調査が進められるという。

 会場を訪れた徳之島町亀津の80代男性は「実家の墓が伊仙町阿三にあり、父から『うちの墓は山川石でできている』と聞いていた。てっきりその辺の山か川の石かと思っていたら本当に『山川石』というものがあったことに驚いた」と話し、「歴史を知り、子や孫の代まで大事に語り継いでいきたい」と語った。

山川石でできた石廟(せきびょう)墓がある伊仙町松山墓地(会場スライドより引用)

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