国史跡構成遺跡に落書き 西古見砲台第2観測所跡 心無い行為に関係者憤り 瀬戸内町

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 鹿児島県奄美大島の瀬戸内町が管理する国史跡の構成遺跡「西古見砲台第2観測所跡」(同町西古見)で落書きの被害があったことが、12日までに分かった。出入り口内側上部壁面に黒色塗料で「71129」と書かれているのを、7日に同町教育委員会の担当者が発見した。同所で数字の落書き被害が見つかったのは昨年11月に続き2度目。同町教委は「国民共有の財産を毀損(きそん)する悪質で身勝手な犯行。遺跡保護の観点から対応を厳格に行っていく」としている。

数字の落書きが確認された国史跡構成遺跡「西古見砲台第2観測所跡」(瀬戸内町教育委員会提供)

 同町教委によると、落書きは縦4センチ×横10センチの範囲に油性マジックを使って書かれていた。見つかったのは昨年被害があった場所と同じで、何者かが現地を訪れた日付を書いたとみられる。専門家の助言を受けて11日に落書きの除去作業を行ったが、原状回復は難しいという。

 被害確認を受け同町教委は9日に毀損届を文化庁へ郵送。文化財保護法違反の疑いがある悪質な行為と判断した上で、10日には瀬戸内署に被害を届け出た。昨年の被害を受け、町教委は今年3月に案内看板に国史跡の標記を行い、落書きを含む禁止事項を明記した注意喚起看板(英訳含む)も設置していた。

 西古見砲台第2観測所跡は国史跡「奄美大島要塞(ようさい)跡及び大島防備隊跡附大島需品支庫跡」の構成遺跡で、奄美大島要塞跡西古見砲台跡の施設。鉄筋コンクリート2階建てで、1階に観測具を置いた円形台座と観測用窓がある。窓上部の壁面には大島海峡西口の島々や島名、距離などが鮮やかな色彩で描かれている。戦前、戦中の瀬戸内町や東アジアの歴史などを知ることができる重要な遺跡と位置付けられ、見学可能となっている。

 同町教委埋蔵文化財担当の鼎丈太郎さん(49)は「奄美大島の島民の一人として大変悲しく、憤りを感じている。文化財を大切にしてほしい」と強調。「今後も多くの方に活用していただけるよう公開していく方針だが、こうした事態が続くようであれば、封鎖も視野に入れて保護を行っていく」とコメントした。

数字の落書き(瀬戸内町教育委員会提供)

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