「ネコは人と生きる動物」 屋内飼育の重要性訴える 奄美大島でシンポ

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  屋外で生きるイエネコの問題と対策をテーマとしたシンポジウム「外にいるイエネコのはなし」が22日、鹿児島県奄美市名瀬のアマホームPLAZAで開かれた。外来ネコ問題研究会(山田文雄会長)が主催。基調講演では研究者や獣医師ら5人が登壇し、奄美大島や御蔵島での事例、外飼いや人獣共通感染症のリスクを解説。ネコの適正管理は生態系保全や野生生物の保護だけでなく、人の健康やネコ自身の福祉につながるとして、室内飼育の重要性を訴えた。

 講演では、対策実例として奄美自然環境研究センターの小椋崇弘氏と塩野﨑和美氏が奄美大島でのネコ対策を報告。最終目標に「外にいる猫をなくし室内飼育を徹底すること」と掲げた。東京大学大学院の徳吉美国氏は、海鳥オオミズナギドリの最大繁殖地である東京都の御蔵島での「野生化ネコの捕獲プロジェクト」を説明。ネコ減少によるミズナギドリの繁殖成功率向上などの成果を報告した。

 屋内飼育の必要性については、森林総合研究所の亘悠哉氏が、トキソプラズマやSFTSといった人獣共通感染症のリスクを解説。放し飼いが人間と動物双方に危険を及ぼすと警鐘を鳴らした。

 また、奄美いんまや動物病院の伊藤圭子院長は「ネコにとって必要なのは安心で安全な縄張り。室内飼育は〝閉じ込める〟のではなく安全な環境を提供すること」と説明。獣医師の視点から奄美大島のネコ問題が10年間で大きく改善した一方、変化に戸惑う飼い主や高齢者が寂しさから猫に餌を与えるケースへの対応も必要と述べ、啓発や情報発信の継続を強調した。

 パネルディスカッションでは環境省や奄美市職員も登壇。小笠原や沖縄の関係者、医療従事者とも意見を交わし、人と動物の健康、環境の健全性を一体的にとらえる「ワンヘルス」の視点を来場者と共有。「ネコは人と共に生きる動物」と、室内飼育徹底と地域連携の必要性を確認した。

 会場には一般の市民も訪れ、講演やパネルディカッションでの関係者の言葉に熱心に耳を傾けていた。

今も現役で狩猟活動を行う県猟友会大島支部の泉正男支部長=20日、奄美市名瀬

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